徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP 45th

病気の治療

medical treatment

脳神経外科の病気:嗅神経芽細胞腫

100万人に0.4人の希少な脳腫瘍

嗅神経芽細胞腫olfactory neuroblastomaは、鼻腔の上方の嗅上皮から発生する稀な腫瘍です。鼻副鼻腔腫瘍の2~3%を占め、100万人あたり0.4人に発症するといわれています。若者年から高齢者まで広く分布しますが、20歳代、60歳代に発症のピークがあるとされています。腫瘍は硬膜下から脳内に浸潤してくるために完全摘出が行えたと思っている場合でも、年を追って腫瘍は徐々に遠隔転移をきたすことがあり、頭蓋内でも硬膜に沿ってあちこちに病巣をつくったり、髄液腔内播種による多発病変が形成されてゆくことがあります。

症状は、鼻づまり、鼻出血などです。腫瘍の増大に伴い、嗅覚障害を自覚するようになります。

手術での完全切除と術後放射線治療が基本

CT、MRIなどで腫瘍の範囲を同定し、生検で病理診断を行い診断します。

手術による完全切除が非常に重要で術後放射線治療が基本となります。手術は脳外科的な開頭手術を要する頚頭蓋経顔面腫瘍切除術(craniofacial resection)が選択されます。綿密な手術計画のもとに腫瘍の完全摘出と前頭蓋底再建術が必要です。硬膜浸潤がある場合は病巣部よりもかなり広範に切除する必要があります。この場合の硬膜形成は血流の豊富な帽状腱膜を使用し、髄液漏れがないように2重の有茎弁として行います。頭皮の皮切は冠状縫合より2cm後方から両側冠状切開を行い十分な帽状腱膜が確保できるようにし、また両側前頭開頭も広範囲に行うことが重要です。前頭蓋底形成は開頭による遊離骨片の内側splittingにて十分の大きさを確保して用います。以前は肋骨を採取して、その半分に割って使用していましたが、この方法のほうが患者さんへの負担が少なくなります。通常、嗅神経芽細胞腫の場合は腹直筋弁を切除腔に使用することはないのでその準備は必要ありません。

切除不能例や遠隔転移例に対する治療は薬物療法に頼らざるをえません。現時点では定まった治療法はありませんが、シスプラチンを中心とする薬物療法(シプラチン+エトポシド療法やシスプラチン+イリノテカン療法など)が用いられています。しかし、十分な効果とまではいかないのが現状です。緩徐に硬膜浸潤をきたし多発転移巣をつくります。

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