徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP 45th

病気の治療

medical treatment

脳神経外科の病気:髄芽腫

小児では3番目に多い脳腫瘍

髄芽腫medulloblastomaは、小児期(好発年齢5~9歳)に多い極めて未分化の腫瘍です。発生率は徐々に減少傾向にあり、原発性脳腫瘍の1%、小児脳腫瘍の10%ぐらいで小児では3番目に頻度が高い腫瘍です。小脳虫部の後髄帆(第四脳室上壁)に付着して発育する浸潤性の腫瘍で、腹側には脳幹、外側には小脳半球へ進展します。第四脳室を占拠し、Lusha孔から大槽にも進展します。成人でも発症し(20~40歳代)、その場合、小脳半球に発生するものが半数を占めます。増殖能の高い悪性脳腫瘍で、WHO Grade IVに分類されています。髄腔内に播種をきたしやすいのも特徴です(診断時10~35%)。血行性転移は骨、リンパ節、肝、肺の順に多くなっています。

座っていられないほどの体幹失調が症状の特徴

MRIでは、造影剤で増強効果を受ける境界鮮明な腫瘍とされていますが、造影剤でそれほど増強効果を受けないものもあります。脳室上衣腫との鑑別が重要ですが、脳室上衣腫の場合はLushka孔への伸展がみられることが多いのが鑑別点です。

症状は、体幹失調、閉塞性水頭症、四肢失調、眼振が特徴です。体幹失調はベッドの上で座っていられないことから気づくことが多くあります。

治療は、手術による可及的摘出+全脳・全脊髄照射+化学療法が基本です。放射線治療開始は術後早ければ早いほうがよくなります。

全摘出、亜全摘出例のほうが生検、部分摘出例に比して予後がよく、5年生存率は44%に対して25%とされていいます。

標準リスク群と高リスク群を分けて治療

髄芽腫では標準リスク群と高リスク群に分類して治療を分けて考えます。

予後には上記のリスク分類、腫瘍の病理学的subtype (anaplastic / large cell type, classic type, desmoplastic / nodular type)が関連します。

標準リスク群に対する治療は、腫瘍摘出後に全脳全脊髄照射23.4Gy+後頭蓋窩32.4Gy、および多剤併用化学療法であり、5年PFS(再発までの症状安定率)は81%、5年OS(全生存率)は86%です。

化学療法は以下の2つのレジメンがあるが、結果に差はありません。
Cisplatin + CCNU + vincristine(VCR)
Cisplatin + cyclophosphamide + vincristine(VCR)

3歳未満の場合は化学療法単独で、放射線療法は行わない方向になっています。

PAGE TOP

PAGE TOP