徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP 45th

病気の治療

medical treatment

脳神経外科の病気:悪性黒色種

主に脳軟膜から生じる腫瘍

中枢神経系における悪性黒色種malignant melanomaは、脳軟膜に存在し、脳幹部、特に延髄の腹側部に多いとされています。したがって中枢神経系を原発とする悪性黒色腫は、主に脳軟膜から生ずる腫瘍です。その発症は、特定の基礎疾患がなくmelanocyte由来の腫瘍が生ずる場合と、皮膚の有毛性色素母斑を持つヒトの軟膜にmelanocyteの集簇を伴う神経皮膚黒色neurocutaeous melanosisがあり、それが発生母地となる場合があります。脳外科的に治療の対象になるのは前者であすが、極めてめずらしい腫瘍で筆者も基礎疾患のない例では、1例の経験があるのにすぎません。後者の場合は4例の経験がありますが、頭皮に母斑があり、皮切に母斑の占める割合が大きく、家族との話し合いで手術には至っていません。

髄腔内播種をきたしやすく、開頭すると主病変部周辺の脳溝などに多数の線状あるいは点状のくも膜下播種病変を認めます。

摘出時に腫瘍に触れるのは禁忌

診断のためCTやMRIで脳血管撮影を行います。CTでは境界明瞭な高信号域病変に広範な浮腫を伴う病変として認められます。単純CTの段階で血腫と間違う危険性があります。造影CTでmass内に低信号域があれば増強効果を認めます。

MRIではT1でCT同様高信号に広範低信号域の浮腫を伴います。T2で病変は低信号、造影剤で増強効果を受けます。MRIでは血腫と間違うことはほぼありません。血管撮影では腫瘍陰影が明瞭に描出されます。

治療は、摘出が基本ですが、開頭腫瘍摘出時には絶対に腫瘍に触れてはいけない点が非常に重要です。触れたら予後は極めて悪くなることを認識しなくてはなりません。術後はINF-βとDTIC(ダカルバジン)、ACNUなどの併用療法が勧められます。髄腔内播種の場合は一般的な髄腔内投与抗がん剤(メソトレキセート、シタラビン、Thio-TEPAなど)の髄腔内投与は効果がありません。

治療が奏功しても残念ながら数年の生存期間です。髄腔内播種があればせいぜい6~8カ月と極めて予後が悪くなります。

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