徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

病気の治療

medical treatment

脳神経外科の病気:腰部脊柱管狭窄症

中心型は間欠性跛行、外側型は筋力低下など

腰椎は5個の脊骨が連なっており、いくつかの靱帯や、椎間板で連結されて体を支えています。この椎間板は老化とともに水分量が減少して弾性がなくなり、背骨と背骨の間が短縮します。それに伴って椎間板を包む靭帯がたわんで膨隆し骨(腰椎)の変形も起こります。また、神経が通る脊柱管の後方にある黄色靭帯でも、加齢とともに、肥厚や石灰化が生じて脊柱管が狭くなり、馬尾神経や神経根が圧迫されるようになります。この結果、腰痛や下肢のしびれや疼痛、筋力低下が生じるのが、腰部脊柱管狭窄症です。馬尾神経が圧迫される中心型狭窄症と神経根が圧迫される外側型狭窄症に分類されます。

中心型狭窄症では間欠性跛行とよばれる症状が特徴的です。数百メートル歩くと両下肢のしびれや痛み、筋力低下を感じて歩けなくなり、しばらく休んだり腰をかがめたりすると、また歩けるようになります。外側型狭窄症では、片側の足にしびれや痛み、筋力低下が出ます。中心型狭窄症と外側型狭窄症の症状は単独で出ることも両方の症状が出ることもあり、進行すると下肢の運動麻痺や歩行困難、排尿困難などの症状が出ます。

手術は拡大開窓術と脊椎固定術の2通り

しびれや疼痛などの症状があっても生活への支障が軽い場合は、症状が改善するかどうか経過観察を行います。痛みがある場合には消炎鎮痛剤を使用し、しびれがある場合にはビタミンB12製剤を使用することもあります。頚椎カラーを用いて頚部の安静を図ることもあります。
数カ月の保存的療法を行っても症状が改善しない場合や、日常生活に支障が出るような筋力低下、強い痛み、歩行障害、排尿障害などが出た場合は手術による神経の減圧を行います。手術法としては、頚部の前方から行う方法が一般的です。

頚椎前方除圧固定術、骨化浮遊術

しびれなどの症状があっても生活の支障が軽い場合は、リマプラスト(プロスタグランジンE製剤)を処方して症状が改善するかどうか経過観察を行います。痛みがある場合には消炎鎮痛剤を使用し、しびれがある場合にはビタミンB12製剤を使用することもあります。腰椎を支える筋肉や腹筋を強化する運動も有効です。コルセットを用いて腰部の安静を図ることもありますが、長期間の使用はかえって筋肉を弱めてしまい逆効果となる場合もあります。
保存的療法を行っても症状が進行し、日常生活に支障がでるような筋力低下や、強い痛み、歩行障害、排尿障害などがでた場合は手術による神経の減圧を行います。手術法としては、大きくわけて2通りで、除圧のみ行う拡大開窓術(部分的椎弓切除術)と、除圧に加えて背骨のぐらつきを止める脊椎固定術があります。

拡大開窓術(部分的椎弓切除術)

全身麻酔下に腹臥位として腰部の正中に3㎝の皮膚切開を行い、腰椎の後方の骨(棘突起)を露出します。顕微鏡下に棘突起の正中をドリルで削り奥へ進んで椎弓も部分的に削除します。肥厚した黄色靭帯を背骨から剥離して摘出し馬尾神経や神経根への圧迫を解除します。手術時間は1~2時間で、手術翌日から食事と歩行訓練を開始します。術後7~10日で退院可能です。

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