徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

病気の治療

medical treatment

脳神経外科の病気:脊髄空洞症

髄液の流れが悪くなることが原因

脊髄空洞症とは、脊髄の中に脳脊髄液が溜まり空洞ができてしまう病気です。生まれつき小脳の下端が脊髄のほうへ落ち込むキアリ奇形のために髄液の流れが悪くなることが最も多い原因です。キアリ奇形がなくても脊髄損傷や、脊髄の癒着を起こすような病気でも起こります。脊髄に空洞ができると感覚障害や運動麻痺が現れてきます。片手の痛みや温度の感覚異常で発症することが多く、その後、徐々に上肢の運動障害が出現します。

放置した場合は下肢にも運動麻痺

症状は通常ゆっくり進行しますが、治療せずに放置した場合には下肢にも運動麻痺が及び、車椅子が必要になる場合もあります。症状が進行性の場合には手術が必要です。手術法は空洞が発生している原因により異なりますが、キアリ奇形を伴っている場合は大後頭孔拡大術を行います。

大後頭孔拡大術

手術は、全身麻酔下に腹臥位として、頚部の後面に皮膚切開を行い、後頭骨と第一頚椎の後面を露出します。後頭骨の下方と第一頚椎の後弓の骨を削除します。その後、脳と脊髄を包んでいる硬膜を切開し、人工の硬膜や筋膜を追加して硬膜を縫い合わせて、脳脊髄液の通る隙間を拡大して流れを改善させます。手術によって脊髄の空洞を縮小することが可能で、症状の進行をほぼ食い止められますが、痛みやしびれといった症状の回復はあまり期待できません。

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