徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP 45th

病気の治療

medical treatment

脳神経外科の病気:水頭症

“治る認知症”として近年注目

人間にとってとても大切な中枢神経である脳・脊髄神経は、頭蓋内で1日約450ml産生される脳脊髄液の中に浮かんだ状態で存在しており、他臓器と違い強い衝撃が加わっても障害を受けにくくなっています。この脳脊髄液は主に脳室内に貯留されており、この脳室が大きくなるのが水頭症です。

水頭症の原因として、

  1. 脳脊髄液の通過障害
  2. 吸収障害
  3. 産生過剰

があり、小児でも成人でも発症する病気です。水頭症の分類として、①先天性(奇形、母体内感染、など)、②後天性・続発性(頭蓋内出血、重症頭部外傷、脳脊髄膜炎、脳腫瘍など)があり、後天性・続発性水頭症はどの年代でも発症します。

水頭症は、小児では脳室が拡大すると頭蓋内圧が亢進し、成長とともに頭囲が拡大していき、頭痛、嘔吐、意識障害で見つかる場合が多いのですが、成人の場合は、頭蓋内圧は亢進せず正常圧でゆっくり脳組織を圧迫するために(図1)、認知障害、歩行障害、尿失禁で見つかる場合がよくあり、なかでも治る認知症として特発性正常圧水頭症という疾患が近年、注目されています(特発性正常圧水頭症ガイドライン参照)。

小さな皮膚切開で症状改善が可能

診断には画像検査としてMRI、CTが有用であり、DESHサイン(図2、SINPHONI))が特発性正常圧水頭症に特徴的です。アルツハイマー病と間違えやすい特発性正常圧水頭症の場合は、髄液排除試験(図3)が有用です。

治療としては、

  1. 脳室腹腔シャント術(SINPHONI)
  2. 腰椎腹腔シャント術(SINPHONI2)
  3. 神経内視鏡手術

があり、どれも小さな皮膚切開で約1時間の手術であり、症状改善が期待できます。


図2 DESH Disproportionately Enlarged Subarachnoid -space Hydrocephalus
①脳室Evans index>0.3、②高位円蓋部および正中部のくも膜下腔の狭小化③シルビウス裂の開大、④局所的な脳溝の拡大


図3 髄液排除試験;外来で行います(約15分)。
局所麻酔で約30ml髄液排除します

参考文献
1.特発性正常圧水頭症ガイドライン第2版、メデイカルレビュー社
2.Cerebrospinal Fluid Res. 2010 Oct 31;7:18 Diagnosis of idiopathic normal pressure hydrocephalus is supported by MRI-based scheme: a prospective cohort study. (SINPHONI).
3.Lancet Neurol. 2015 Jun;14(6):585-94 Lumboperitoneal shunt surgery for idiopathic normal pressure hydrocephalus (SINPHONI-2): an open-label randomised trial.

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