徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP 45th

病気の治療

medical treatment

脳神経外科の病気:頭蓋咽頭腫

良性だが治療困難な腫瘍

頭蓋咽頭腫は、胎生期の頭蓋咽頭管の残存から視床下部・下垂体系というホルモンや情動・記憶などの中枢となる部分に発育します。良性ですが周囲脳組織に癒着が強く治療の困難な腫瘍の一つです。腫瘍は鼻粘膜残存であるラトケ嚢の一部から発生すると考えられており、大きく分けて小児時期、成人になって発症する2つのタイプがあります。腫瘍は嚢胞(水溜りのようなもの)部と充実部からなり、しばしば石灰化がみおられます。症状は水頭症による頭痛や意識障害、視野障害、性格の変化やホルモンの症状などがみられ、特徴的な小柄なぽっちゃり体型の丸い顔貌を呈します。

手術の際は合併症に注意

治療法は手術療法および放射線治療(分割治療やガンマナイフ等の定位放射線治療)があります。手術はtrans sylvian approachとinterhemispheric approachで腫瘍の摘出を行いますが、筆者は全摘出を目指し後者のapproachを選択しています。前者の場合は全摘出が困難な場合が多く、場合によっては腫瘍腔にチューブを留置しそれを頭皮皮下に留置したOmmaya resrvoirと接続し、そのシステムを通じてBleomycinを注入し、腫瘍の増大を抑える方法をとる場合もあります。

手術の合併症例率は比較的高く、ホルモン欠乏症状(尿崩症や性・ステロイド・成長ホルモンの低下)はほぼ全例で出現します。放射線療法で腫瘍を制御できる可能性は50~80%と低く、遅発性の合併症(視力低下、記憶障害、知能低下等)を起こす可能性があります。

PAGE TOP

PAGE TOP