徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

病気の治療

medical treatment

小児科の病気:漏斗胸

肋軟骨の変形が原因

漏斗胸とは、前胸部の中心とおなかの境界あたりがくぼんでいる状態をいいます(写真)。約1,000人に1人の割合で認められ、男子に多いといわれています。肋骨は左右に12本ずつありますが、前のほうで軟骨となり前胸部の中心にある胸骨につながっています。漏斗胸は、この胸骨がくぼんでおり、肋軟骨の変形が原因とされています。

症状はほとんどないが稀に心臓弁膜症の発症も

漏斗胸による症状はほとんどありませんが、風邪をひきやすかったり、心臓が圧迫され、心電図異常や動悸が起こったり、ひどい場合は心臓弁膜症を発症することもありますが、非常に稀です。むしろ外見上の問題で精神的に引け目を感じたり、いじめの原因になる可能性があります。

漏斗胸の診断は外見から容易ですが、胸部CT検査を行うことにより客観的にくぼみの程度を評価することができます。手術は、肋軟骨を切除して胸骨を挙上する方法や胸骨の裏側に金属製のバーを約3年間入れておき抜き取る方法(Nuss法)などがあります。また、程度が軽い症例では、陰圧吸引療法(バキュームベル)といって朝・夜60分ずつ陰圧をかける方法もありますが、現在保険適応ではなく、自費で機器を購入していただく必要があります。

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