徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

病気の治療

medical treatment

小児科の病気:腸重積症

小腸が大腸の中に入り込む病気

腸重積症は、典型例では小腸が大腸の中に入り込むために起こります(図)。生後3カ月から2歳までにみられる病気ですが、特に1歳までの乳児に多く発症します。それまで元気だった赤ちゃんが、急にぐったりしたり、急に泣いたりを繰り返すようになります(間欠的腹痛といいます)。そのうちに顔から血の気が引くような状態になり、粘液の混じった血便(イチゴゼリー状とかイチゴジャム状と表現します)を認め出すようになります。できるだけ早急な治療が必要です。

原因としては、腸に分布しているリンパ組織が腫れて大きくなり、この部分から大腸に入っていくと考えられており、風邪などのウイルス感染がリンパ組織の腫れの原因といわれています。

男児のほうが女児の約2倍多く発症すると報告されています。おなかにソーセージのようなかたまりを触れたり、超音波検査をすることで診断できます。

非観血的整復術でだめなら開腹手術が必要

治療としては、透視下に肛門から造影剤を注入しもどしていく方法があり、非観血的整復術といわれています。造影剤のかわりに空気を用いてもどす施設もあります。約8割がこの治療法で治りますが、整復後24時間以内に約1割が再発する可能性があり入院が必要です。

非観血的整復術でもどらなければ、緊急手術が必要です。開腹手術を行いますが、腸をもとにもどしたあとも腸の色調が悪かったり、腸をもとにもどすことができなければ、腸を部分的に切除してつながなければなりません。また、3歳以上の幼児や学童にも発症することがありますが、非観血的整復術ではもどらないことが多く、緊急手術が必要なケースの割合が多くなります。その場合、小腸にポリープがあったり、膵臓組織が小腸に迷い込んでいたり、メッケル憩室といって生まれつき小腸に袋状に突出するものがあることがあり、これらが原因で腸重積症を発症します。最近は腹腔鏡を使った手術を行う施設も増えてきています。

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