2019年(平成31年)4月15日 月曜日 徳洲新聞 NO.1180 二面
講演
「救急はシステム」
湘南鎌倉病院 山上センター長
徳洲会グループ3月度医療経営戦略セミナーで、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の山上浩・救命救急センター長は「これからの〝救急〟の話をしよう~いまを生き延びるための哲学~」をテーマに講演した。
「システムを整備し継続可能な救急医療を」と山上センター長
徳洲会が実践する「断らない救急」、これを継続するために、山上センター長は「精神論だけではできません」と断言。同院の救命救急センターに〝超人〟はいないとしたうえで、「救急はシステムです」と提示した。
地域の各病院にひとりずつ救急医がいるよりも、ひとつの病院に集約化すべきと提言、同院では救急医が3交代シフト制で働くことで診療体制を継続させていることなど説明。さらに同院の特徴として、救急救命士が担う救急調整室を設置していることを挙げ、同時に診療看護師も必要不可欠であると説いた。
救急のボトルネック(流れを滞らせる事柄)は「初期評価」とも指摘。初期評価は医療資源の集約化された場所で行い、そのうえで転院も含め適切な医療施設に入院させるという流れつくることが大切であるとした。つまり、同院の救命救急センターは、地域全体の救急受け入れ窓口として機能すべきであるという考えだ。一方で、院内に総合内科・(総合)外科という、診断がつかない状態でも入院させてくれる診療科を擁することも、重要な救急システムのひとつと強調した。
さらに、転院搬送には消防救急車を使ってはいけないと注意喚起。救急車の現場到着時間が10年前に比べ約2分延伸しているデータなど挙げ、「今後ますます救急車の出動件数は増えてくるため、転院搬送で使うと救命率の低下につながりかねません。転院搬送は病院救急車を使用すべきと考えます」と語気を強めた。
救急搬入依頼を増やすためのアドバイスとして、①受け入れ応需の決定を早くする、②搬入後に「お疲れ様です」と挨拶する、③救急隊から速やかに引き継ぐ――を列挙。最後に、「徳洲会は日本の救急医療を牽引していると思います。グループとして各病院を支援していただきますようお願いします」と締めくくった。