2019年(平成31年)2月18日 月曜日 徳洲新聞 NO.1172 三面
葉山ハートセンター
救急搬送件数が増加
地域のセーフティネットに
「地域から必要とされる救急医療を提供したい」と廣瀬医師
葉山ハートセンター(神奈川県)は救急医療への取り組みを強化している。日本救急医学会認定の救急科専門医である廣瀬薫医師が2018年4月に常勤医として着任して以降、救急搬送の受け入れ件数が伸長。たとえば17年12月は22件だったが、18年12月は89件と約4倍に増加している。
「“救急は断らない”、“地域のセーフティネットになる”をスローガンに、健康面でお困りのことがあった時には、頼りにしていただける地域に根差した病院を目指したい」と廣瀬医師は抱負を語る。
同センターは17年6月に田中江里院長が就任。心臓に特化した病院というイメージにとらわれず、より地域に密着した地域医療に貢献する病院を目指していくこととなった。その一環で救急医療の充実にも取り組んできた。
救急搬送の受け入れ件数が増加
具体的には院長就任後間もなく、田中院長の前任地である湘南鎌倉総合病院(同)救急総合診療科に所属する複数の医師が日替わりで同センターの救急医療を支える体制を構築。廣瀬医師もそのうちのひとりだった。
ただし、それぞれの医師は非常勤ということもあり、この体制の下では一次救急の受け入れが中心だった。救急隊や院内他部署とのスムーズな連携を実現し、二次救急の受け入れも行っていくためには、常勤の救急医の加入が課題だった。こうした経緯から廣瀬医師が着任。同時に同センターに救急総合診療科を立ち上げ、本格的に救急医療をスタートした。
廣瀬医師は「救急隊の方たちとも顔見知りになり、信頼関係もできてきました。葉山町には当院以外に病院はなく、これまで救急医療の過疎地でした。軽傷から重症まで幅広い疾患に対応し、地域から必要とされる救急医療を提供していきたい」と話している。