2019年(平成31年)2月18日 月曜日 徳洲新聞 NO.1172 一面
庄内余目病院
“足育”テーマに公開講座
講演後に親の意識が変化
富樫部長が足の状態を診る相談コーナーなど大盛況
子どもの足の健康を守るため「正しい“足育” はじめませんか?」という市民公開講座が山形県の庄内町文化創造館響ホールで開催された。主催は庄内足とキズを考える会。同会は、庄内余目病院、鶴岡市立荘内病院、日本海総合病院の足病や褥瘡(じょくそう)治療、フットケアなどに携わる皮膚・排泄(はいせつ)ケア認定看護師、糖尿病療養指導士が、足病の早期発見・早期治療のための連携を目的に設立した。
小学生や中学生が足のトラブルで庄内余目病院を受診するケースが近年増えていることから、少年期から足の健康を守る予防的取り組みが重要と考え、子どもの“足育”をテーマに開催した。地域の方々をはじめ幼稚園、保育園、学校関係者、医療関係者など104人の参加があり大盛況だった。
はじめに同院の富樫真二・形成外科部長兼創傷ケアセンター長が「子どもたちの足に今何が起きているのか」をテーマに講演。続いて、バイタルフス高知代表取締役の関耕二・義肢装具士が「正しい靴選びのポイント」、同院の阿部幸司リハビリテーションセンター副主任(理学療法士)が「歩行外来を受診した子ども達の足」をテーマにそれぞれ講演した。講演後には足や靴の相談コーナー、3DO(三次元足圧測定システム)による歩行検査などを実施し、盛り上がった。
小・中学生を含め真剣に聴講する参加者
講演前後のアンケート結果から、参加者の足に関する悩みが解決したり、靴の正しい選び方の理解が進んだりしたことがわかった。「子どもの足を見ているか」との設問には、講演前は「たまに見る」と「ほとんど見ない」が合わせて80%だったが、講演後は「定期的に見ていく」と「時々見ていく」で100%になり、子どもの足に対する親の意識にも変化が見られた。同院企画課の遠藤豊喜課長は「未来を担う子どもたちの足を守るのは私たち大人の責任。その責任を果たしていくには、大人が正しい足育について理解することが大切です。今回の市民公開講座は、その第一歩になったと思います」と話している。