徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2019年(平成31年)2月18日 月曜日 徳洲新聞 NO.1172 四面

読み解く・読み得“紙上医療講演” 21
有酸素運動で健康づくり

食事や睡眠と同様、健康的な身体づくりに欠かせないのが運動です。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動基準2013」によると、家事や労働など日常生活での身体活動とは別に、週2回以上・1回30分以上の運動習慣をもつことが望ましいとされていますが、どのような運動を行えば良いのでしょうか。メディカルフィットネス+スパ「ラ・ヴィータ」(山形県)の酒井紗貴・健康運動指導士(保健師)は、有酸素運動を勧めます。

酒井紗貴・健康運動指導士 酒井紗貴・健康運動指導士

健康的な身体づくりの指標のひとつにBMI(表1)があります。肥満度を示すもので、体重(㎏)を身長(m)の2乗で割って算出します。たとえば、身長173㎝・体重71㎏の方の場合、71÷(1.73×1.73)=23.7がBMIです。男女とも成人では22が最も健康的で理想と言われています。

表1 肥満度分類

BMI 肥満度
18.5未満 低体重(やせ)
18.5~25未満 普通体重
25~30未満 肥満(1度)
30~35未満 肥満(2度)
35~40未満 肥満(3度)
40以上 肥満(4度)

※日本肥満学会

とくに「肥満」に当たる場合、多すぎる体脂肪を適量まで減らさなければなりません。手っ取り早いのは食事制限ですが、栄養バランスを崩す、代謝が悪くなり食事した際にかえって脂肪をためこみやすい(リバウンド)身体になる、筋肉量が減るといったケースがあり、決して良い方法とは言えません。

筋肉と脂肪のバランスが取れているのが健康的な身体であり、そのためには摂取エネルギーを抑えるだけでなく、食欲を満たしながら代謝を活発にして摂取エネルギーよりも消費エネルギーが大きくなる状態をつくり出すことが大切。その最も効果的な方法が有酸素運動です。

表2 主な有酸素運動

有酸素運動とは、ジョギングやウォーキングなど長時間継続して行う運動を指します(表2)。運動中、筋肉を収縮させるためのエネルギー「アデノシン三リン酸(ATP)」は、体内の糖(グリコーゲン)や脂肪の分解の過程でつくり出され、とくに脂肪を分解・燃焼する際に大量の酸素が必要になることから“有酸素運動”と呼ばれます。体脂肪のみならず内臓脂肪も減少するため、高血糖や脂質異常、高血圧など生活習慣病の予防・改善が期待できます。

有酸素運動は長時間継続しなければ効果が得られません。理想は1日30分~1時間程度ですが、たとえば10分を3回など数回に分けて取り組んでもかまいません。運動の程度は“ちょっと息が弾むくらい”を心がけると良いでしょう。ただし、無理は禁物。年齢や心身の状態を考えて行ってください。適宜、水分を補給することも忘れないようにしましょう。

繰り返しますが、有酸素運動は長く続けることが大切。運動習慣のない方は1日5分から始めてみてください。長く続けるコツは楽しむことです。当施設には、仲間をつくり楽しみながら何年も利用されている方がたくさんいらっしゃいます。

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