2019年(平成31年)2月18日 月曜日 徳洲新聞 NO.1172 二面
日本神経治療学会
湘南藤沢病院が3題
MRgFUSとHAL
第36回日本神経治療学会学術集会が都内で開催され、湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)が一般演題3題を発表した。テーマは同院で自由診療・臨床研究として進めているMRガイド下集束超音波治療(MRgFUS)や、ロボットスーツ「HAL(Hybrid Assistive Limb)医療用下肢タイプ」。
本態性振戦の長期経過を説明する伊藤部長
伊藤恒・神経内科部長は
「MRガイド下集束超音波による片側視床破壊術を施行した本態性振戦の10例(第2報)」をテーマに発表。同治療施行から12カ月間の有効性と安全性を検証した。1例で振戦が再増悪したため治療ターゲットをより精密に同定しなければならないと反省、第1報で報告した以外に新規の有害事象はなかったことを報告したうえで、「さらに長期の観察を継続します」とまとめた。
福武・後期研修医はパーキンソン病の治療成績を解説
福武滋・後期研修医は
「MRガイド下集束超音波治療を施行したパーキンソン病の9例」と題し発表。振戦優位型のパーキンソン病7例、ジスキネジアを呈するパーキンソン病2例の経過を報告した。このうち振戦優位型の2例では治療直後に動作緩慢が増悪し、副腎皮質ホルモンの投与で軽快したものの、「振戦優位型のパーキンソン病に特有の有害事象かもしれません」と課題を示した。
ALSへのリハビリ経験を報告する堀越・理学療法士
堀越一孝・理学療法士は
「筋萎縮性側索硬化症(ALS)に対するHAL医療用下肢タイプの使用経験」をテーマに発表。HALは体に取り付けたセンサーが装着者の動こうとする「意思」を感知し、装着者の動作をアシストする。これを用いてリハビリテーションを行ったALSの2例を報告。HALによる反復訓練が歩行機能維持に示した有効性に加え、「歩行リハビリによって体幹・頚部(けいぶ)機能や座位保持能力の改善につながる可能性があります」と示唆した。