徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

病気の治療

medical treatment

肝臓・膵臓内科の病気:急性肝炎・劇症肝炎

原因はさまざま

何らかの原因により急速に肝細胞が破壊され肝機能障害を呈する疾患のことです。原因としては、牡蠣などの魚介類生食によるA型肝炎ウイルス、性的な接触によるB型肝炎ウイルス、汚染された血液や器材からの感染であるB型あるいはC型肝炎ウイルス、猪や鹿等の生肉の摂取によるE型肝炎ウイルス、さらにはEBウイルス、サイトメガロウイルス等のウイルス感染があります。 また、投与された薬剤や自ら服用したサプリメント・健康食品なども原因となることがあります。なお自己免疫性肝炎という肝臓疾患の一部には急性肝炎様の発症経過をとる例があります。 急速に肝機能障害をきたす症例のなかで、肝障害が著しく意識障害をきたした症例が 劇症肝炎という疾患です。

急性肝炎特有の症状はないが劇症肝炎は意識障害が伴う

急性肝炎に特異的な症状はありませんが、食欲不振や吐き気、嘔吐などの消化器症状、右上腹部違和感あるいは痛み、全身倦怠感や黄疸が認められます。ウイルス性が原因の場合には感染症状として発熱を伴うことがあります。これらの症状がすべて出るということではなく、また症状の程度も個人差があります。なお劇症肝炎はこれらに加え、意識障害(肝性脳症)が伴います。

目安はAST・ALTの著しい上昇

前述の症状のある方に血液検査を行い、AST・ALTの著しい上昇が認められることが急性肝炎の診断となります。それに加え以下のような原因検索のための検査と、重症度を判定する血液検査や診察を行い診療にあたります。 <原因検索> A型肝炎:IgM-HA抗体 B型肝炎:IgM-HBc抗体(その他のB型肝炎マーカーも) C 型肝炎:HCV抗体・HCV-RNA定量 E型肝炎:IgA-HEV抗体 サイトメガロウイルス:IgM抗体・IgG 抗体 上記の血液検査で診断します。さらに肝臓の組織を採取する病理組織学的検討のため肝生検を行います。重症度判定は主に血中ビリルビン値、プロトロンビン活性、アンモニア値など血液検査で診断します。

劇症肝炎では肝移植も

ウイルスが原因の急性肝炎の場合は安静のみで自然寛解・治癒することが多く特殊な治療は必要としません。しかし、急性B型肝炎で慢性化が疑われる場合にはB型肝炎に対する核酸アナログ製剤投与を行うことがあります。またC型急性肝炎ではウイルス排除目的にインターフェロンや抗ウイルス剤(DAA)を投与します。薬剤・サプリメント等の原因の場合には中止にて経過観察で改善することが多いですが、自己免疫性肝炎の場合にはステロイド投与が行われます。 一方、劇症肝炎では、血漿交換など 特殊な治療が行われますが、効果が期待できない場合には肝移植が考慮されます。

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