徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

病気の治療

medical treatment

膠原病・免疫の病気:シェーグレン症候群(SS:Sjögren's syndrome)

口や目の渇きが主症状で悪性リンパ腫などを招くことも

シェーグレン症候群は、1933年にスウェーデンの眼科医ヘンリック・シェーグレンにより発表された疾患です。中年女性に好発する涙腺と唾液腺を標的とする自己免疫疾患であり、主症状は唾液涙液分泌不全による口腔乾燥、眼球乾燥です。このため口が乾く、味がわかりにくい、涙が出ない、目が痒いなどの自覚症状が出てきます。自然経過で予後の良好な病型もありますが、肝臓や腎臓等へのリンパ球浸潤、増殖による病変や自己抗体、高γグロブリン血症などによる病変を伴うケースが半数にみられます。さらには悪性リンパ腫や原発性マクログロブリン血症を発症する場合もありますので注意が必要です。

関節リウマチ患者の2割に発症

またSSは、他の膠原病(関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、皮膚筋炎、混合性結合組織病)の合併が多く、この疾患は外分泌腺障害にとどまらない全身疾患であると理解すべきかと思われます。関節リウマチの患者さんの約20%にシェーグレン症候群が発症します。この疾患の年齢層は50歳代にピークがあります。男女比は男1人:女14人で、女性に多く発症します。

全身症状を伴う場合は薬物療法で治療

血液一般検査ではCRP陽性、白血球減少、血小板減少、赤沈亢進、高γグロブリン血症がみられます。陽性となる自己抗体の種類とその陽性率は以下のように報告されます。抗核抗体は70~80%、リウマトイド因子は70~80%、またSSを決定づける抗SS-A/Ro抗体は70%に、抗SS-B/La抗体が30%にみられます。

治療法は、目の乾燥に対しては人工涙液、口腔乾燥に対しては唾液分泌促進薬を対症療法として用います。全身症状を伴う場合にはその軽重に応じて、非ステロイド系抗炎症剤、ステロイド剤、免疫抑制剤が単独または併用で処方されます。

PAGE TOP

PAGE TOP