徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP 45th

病気の治療

medical treatment

膠原病・免疫の病気:全身性エリテマトーデス(SLE:Systemic lupus erythematosus)

噛まれたような皮膚の紅斑が特徴の炎症性疾患

膠原病の1つである全身性エリテマトーデスとは、不明熱を呈し、全身の臓器、つまり皮膚、関節、脳、心臓、肺、腎臓、肝臓、腸管などが段階的に、あるいは一気に侵される炎症性疾患です。皮膚にみられる紅斑(erythema)が狼(lupus、ループス:ラテン語で狼の意味)に噛まれた痕のような赤い局面であることから、こう命名されました。20歳から40歳代の主に女性が罹患することが多く、難病に指定されています。若い女性で1週間以上にわたる発熱、体がだるく疲労しやすい、複数の関節が痛むなどの症状があればこの病気が考えられます。

患者の約8割が腎障害を併発

皮膚では顔面に蝶形紅斑、円盤状紅斑がみられます。また寒冷刺激で手指が痺れを伴い真っ青になるレイノー現象がみられることもあります。心臓には心外膜炎、弁尖炎、冠動脈炎を引き起こすことが知られ、これにより心不全、心タンポナーデ、狭心症、急性心筋梗塞が合併することがあります。肺には間質性肺炎、胸膜炎が合併することがあります。80%の症例で腎障害を合併し、その程度はまちまちですが腎不全になると、血液透析療法を受けることを余儀なくされる場合もあります。神経精神障害を合併すれば癲癇様発作、せん妄、脳梗塞、舞踏病、小脳運動失調などの症候がみられます。

圧倒的に多い女性の発症

難病情報センターによると男女比は1:9で、圧倒的に女性に多い病気です。すべての年齢に発症します。妊娠可能年齢にあたる20~40歳の女性に多いとされています。日本全国では6~12万人が罹患しているとされます。

病気の原因は、遺伝的要因、環境因子、免疫異常、内分泌異常等の多因子が関与するとされていますが、詳細は明らかにされていません。寒冷や紫外への暴露、ある種の薬剤、出産などが発症のきっかけになります。

免疫複合体が全身に沈着して病気を引き起こす

この病気の患者さんのほぼ全員が、血液中に抗核抗体という自己抗体をもっています。自分自身の細胞の中にある核の成分と反応してしまう抗体です。この抗体が、自分の細胞の核の物質と反応し、免疫複合体(抗原と抗体が反応してできる多分子結合体)という物質をつくって、全身の皮膚、関節、血管、腎臓などに沈着して病気が引き起こされるのが主な病態とされています。このほか、免疫を司るリンパ球が直接、自分の細胞、組織を攻撃することもあると考えられています。

治療薬でよくならない場合は専門医への受診を

血液一般検査ではリンパ球減少による白血球減少、血小板減少、溶血性貧血がみられます。またCRP上昇、赤沈亢進、γグロブリン増多が現われます。疾患特異抗体としての抗核抗体はほぼ全例にみられます。また腎障害の反映として持続性タンパク尿、尿顕微鏡検査で細胞性円柱を認めます。

治療は、副腎皮質ステロイド、他の免疫抑制剤が初期治療薬として選択されます。初期治療薬に反応が得られない場合には、専門医への受診をしたほうが良いでしょう。

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