徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

病気の治療

medical treatment

膠原病・免疫の病気:血管炎症候群

倦怠感などの全身症状と臓器の虚血症状が現れる

血管炎を原因とした多種多様の臨床症状ないし疾患群を総称して血管炎症候群といいます。原疾患が血管炎である場合、原発性血管炎といい、膠原病などの他の疾患に血管炎が合併した場合には続発性血管炎とよびます。

症状は、発熱、体重減少、倦怠感などの全身症状と、血管炎に伴うさまざまな臓器の虚血症状に大別されます。頭痛、頸部・肩甲部痛、顎関節の疲れ、視力障害が現れます。側頭動脈炎を生じると片側性の頭痛が起こり、胴部に有痛性の側頭動脈を触れます。また、視力障害、失明(約10〜20%)にも注意が必要です。関節痛、紫斑、皮膚の潰瘍、心筋虚血に伴う胸痛、腸管虚血に伴う腹痛、肺の血管炎に伴う気管支喘息様発作や血痰、高血圧、脳出血・脳梗塞、腎機能の低下、血尿・タンパク陽性・潜血反応陽性などが認められます。

Wegener 肉芽腫症では上気道、肺、腎の炎症に注意

血管症候群の1つ、Wegener 肉芽腫症では気管支喘息やアレルギー性鼻炎の経過中、数週から数年の間に発熱、全身倦怠感、食欲不振などの炎症症状に加え、鼻、眼、咽喉頭などの上気道の症状、肺、腎の3つの臓器の炎症による症状が順次、または同時に起こる病型があり、注意を要します。

ステロイドと免疫抑制薬で治療

一般検査所見は白血球数増加、CRP高値、赤沈亢進など非特異的炎症所見がみられます。そのほか血小板数の増加、好酸球増加、MPO-ANCA陽性、血清IgE増加、リウマトイド因子陽性などの所見がみられます。

治療は、副腎皮質ステロイドと免疫抑制薬(主としてシクロホスファミド)を使用します。副腎皮質ステロイドとリツキシマブによる治療も同様な効果と安全性が示されており、免疫抑制薬が使用できない、あるいは効果不十分の場合、再発例の場合などに使用されます。状態が安定した後に症状、検査所見の改善をみながら、ステロイドを減量していきます。

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