徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP 45th

病気の治療

medical treatment

肝臓・膵臓内科の病気:肝臓がん(肝細胞がん)

原発性肝臓がんの95%を占める肝細胞がん

肝臓がんには、大腸がんや胃がんなどが進行して肝臓に転移した転移性肝臓がんと、肝臓から発がんした原発性肝臓がんとがありますが、これらは全く病気の性質が異なり治療法も大きく異なります。原発性肝臓がんには肝細胞がんや胆管細胞がんなど数種類に分類されますが、原発性肝臓がんの約95%が肝細胞がんという種類のがんです。ここでは肝臓から発がんする原発性肝臓がんのうちほとんどを占める肝細胞がんについて説明します。

肝細胞がんには他のがんにはない特徴があります。特徴として、①ほとんどが慢性肝炎や肝硬変の肝臓に発がんする、②一度発がんすると再発を繰り返す─等があります。これらから発がんの高リスク群が明確で検査対象者を絞り込みやすい、また複数回の治療が必要となりさらに治療方法選択に関して肝機能が問題になる、などの特徴もあります。

初期は無症状だが破裂した場合は突発する激痛も

症状としては腹痛、黄疸などですが、これらの症状はかなり進行して末期状態にならないと出現しません。比較的初期の段階では全く症状が出現しないため、後述する検査を定期的に受ける必要があります。なお、肝細胞がんは急速に増大すると表面からおなかの中に多量の出血を突然起こすことがあります(肝がん破裂)。その場合は急に激しい腹痛が出現します。

慢性肝炎・肝硬変の方は要注意

肝細胞がんは慢性肝炎や肝硬変に発がんすることがほとんどです。そのため肝細胞がん発がんの高リスク群は慢性肝炎や肝硬変の方となります。原因はいずれにせよ慢性肝炎や肝硬変の方を対象に年数回以上の画像検査が求められます。画像検査としては、腹部超音 波検査、CT検査、MRI検査が主なものです。それぞれに長所と短所がありますのでこれらを組み合わせて検査を行うことが望ましいと考えられます。

これらの画像検査に加え肝細胞がんに特異的な腫瘍マーカーであるAFP、AFPレクチン(L3)分画、PIVKA Ⅱの測定を行います。ただし腫瘍マーカーは必ずしも異常値を呈するとは限らないため、画像検査と腫瘍マーカーとの総合的な診断が必要になります。これらの検査でほとんどが診断可能なため、ほかのがんの診断と異なり直接細胞を採取して顕微鏡で観察する病理組織学検査は一般的には行いません。しかし画像検査で診断できない場合には、病理組織検査を行うこともあります。

肝機能の評価が治療法に影響

ほとんどの場合肝細胞がんは慢性肝炎や肝硬変の肝臓に生じますので、肝細胞がん発見された時には肝機能は低下しています。そのため肝細胞がんを治療する際には、がん病巣の広がりだけではなく肝機能が問題になります。例えば極めて小さいサイズ(1~2cm)で肝細胞がんが発見されても、肝機能が極めて悪いと最も成績の良い治療法の手術はできません。肝細胞がんが発見された場合は肝機能を正確に評価する必要があります。病巣の広がりは前延の画像検査で診断しますが、肝機能に関しては血液検査に加え腹水や肝性脳症の症状の有無により総合的に診断します。

治療法は、手術、ラジオ波焼灼療法(RFA)、肝動脈化学塞栓術(TACE)・肝動注化学療法(TAI)、放射線治療、分子標的薬内服などが代表的です。肝機能とがんの大きさ・個数・存在部位・転移の有無等とを総合して、これらの治療法の中から最も有効なものを選択します。

治療法 病巣の拡がり 肝機能
手術 最大径3cm以下かつ個数3個以下あるいは径5cmかつ1個 肝機能両行例に限定
*肝機能により切除範囲が規定される
焼灼凝固療法 最大径3cm以下かつ個数3個以下あるいは径5cmかつ1個 肝機能中等度不良例まで可能。
肝動脈化学塞栓術・肝動注療法
放射線治療
分子標的薬

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