2019年(令和元年)11月11日 月曜日 徳洲新聞 NO.1210 二面
病気のはなし⑧
胸やけの原因はこれかも? 逆流性食道炎
ふだんから、よく胸やけがするという方は、もしかしたら逆流性食道炎かもしれない。逆流性食道炎は、逆流した胃酸で食道の粘膜が損傷を受け、引き起こされる病態のこと。胸やけや胃の不快感、嘔気(おうき)、乾いたせき、酸っぱい胃液が上がってくる感じ(呑酸(どんさん))などの症状がある。
食道と胃のつなぎ目にある“噴門”が適切に開閉することで、胃酸の逆流を防いでいるが、暴飲暴食や脂肪分の多い食事の摂取などにより、噴門が一時的に弛緩し働きが弱まると逆流を起こしやすくなる。腹部への圧力や食道裂孔(れっこう)ヘルニアが原因で逆流することもある。
茅ヶ崎徳洲会病院(神奈川県)の曽根辰巳・内科部長は「治療は、上部内視鏡で食道の状態を確認し、生活習慣の改善や服薬治療を行います。生活習慣に関しては高脂肪食を控える、胃酸の分泌を活発にするコーヒーや、香辛料を使った料理を摂りすぎない、食後すぐに横にならないことなどをアドバイスし、服薬治療には胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害剤を用います」と説明。
続けて「生命にかかわる疾患ではありませんが、食道がんでも類似した症状が現れることから、安易な自己判断は行わず、まず医療機関を受診することをお勧めします」と呼びかけている。