徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2019年(平成31年)4月1日 月曜日 徳洲新聞 NO.1178 一面

湘南藤沢病院
ARTIS pheno 導入
より安全・正確な脊椎手術を追求

湘南藤沢徳洲会病院(神奈川県)は多軸型CT(コンピュータ断層撮影)様画像撮影装置「ARTIS pheno(アーティス・フィノ)」を導入した。同院脊椎(せきつい)センター・脊柱側彎(せきちゅうそくわん)症センターの脊椎専用ハイブリッド手術室に設置、これと連動する手術台やリアルタイムナビゲーションシステムと組み合わせ、正確で安全な手術の施行に寄与する。今後も脊柱側彎症をはじめ脊椎疾患に対する手術に積極的に取り組み、患者さんのQOL(生活の質)やADL(日常生活動作)の向上に貢献していく考え。

脊柱側彎症の手術で実績豊富

ARTIS pheno を導入したハイブリッド手術室 ARTIS pheno を導入したハイブリッド手術室

頚椎(けいつい)や胸椎(きょうつい)、腰椎(ようつい)などで構成される脊椎の疾患は、腫瘍や炎症、変性、外傷、代謝異常、先天性形態形成異常、脊柱変形など多岐にわたる。具体的には脊柱側彎症、椎間板(ついかんばん)ヘルニア、変形性脊椎症、脊椎脊髄(せきずい)損傷、転移性脊椎腫瘍や慢性関節リウマチなどの疾患がある。

「ひとりでも多くの患者さんのために貢献していきたい」と江原副院長 「ひとりでも多くの患者さんのために貢献していきたい」と江原副院長

湘南藤沢病院が治療に力を入れている脊柱側彎症は、背骨がねじれながら大きくカーブする疾患。さまざまな疾患が起因となり合併発症する症候性側彎症と、成長期に発症する特発性側彎症があり、重症化すると心肺機能障害を引き起こす。重度変形の場合、手術には高度な技術が必要。前方矯正固定術(小切開)や後方矯正固定術などによる手術を行い、背骨がまっすぐになるようスクリュー(医療用ねじ)やフック、ロッド(金属の棒)を連結し、ねじれやカーブを矯正する。

ARTIS pheno で患者さんを撮影する様子 ARTIS pheno で患者さんを撮影する様子

より安全で正確な手術を行うため、同院は2012年10月の新築移転時に、多軸型CT様画像撮影装置ARTIS zeego を中心に、連動する手術台とリアルタイムナビゲーションシステムからなる当時、世界でも類のない脊椎手術システムを構築。この間、三次元(立体)の鮮明なデジタル画像とナビゲーションシステムを組み合わせることで、脊髄の近くにスクリューを打ち込む場合にも、ミリ単位で位置を正確に特定しながら安全な手術を行ってきた。

江原宗平・副院長兼脊椎センター・脊柱側彎症センター長は「ARTIS zeego を使用してきた6年半の間に約1万8000本のスクリューを患者さんの体内に埋め込んできましたが、あとから位置を修正したのは0.002%にとどまります。これは本分野では驚異的な精度です」と話す。

モニターに映し出された画像を確認しながら慎重に手術 モニターに映し出された画像を確認しながら慎重に手術

今回導入したARTIS phenoはARTIS zeegoの進化版。「より高精細・高画質な画像の撮影が可能であり、被ばくの低減化も図られています。さらに、Cアームの内径がARTIS zeego より13㎝広くなり、アーム内のフリースペースは95.5㎝まで拡大。これにより、大柄な患者さんの場合でも容易に撮影できます。このように基本性能のアップに加え、将来的なAI(人工知能)による脊椎手術のロボット化への対応も見据えてARTIS pheno の導入に踏みきりました」(江原副院長)。

↑脊柱側彎症の前方矯正固定術の症例画像。手術前(左)と手術後。↓同症の後方矯正固定術の手術前(左)と手術後の症例画像術 ↑脊柱側彎症の前方矯正固定術の症例画像。手術前(左)と手術後。↓同症の後方矯正固定術の手術前(左)と手術後の症例画像術 モニターに映し出された画像を確認しながら慎重に手術

ARTIS phenoと連動する手術台とナビゲーションシステムも入れ替えを行った。

ARTIS phenoを用いた初症例は2月8日に施行、腰椎の手術だった。また同月14日にはARTIS pheno を用いた脊柱側彎症手術の1例目も行っている。同センターが手術を開始した04年8月以降、今年2月末時点で、手術総数は3948例に到達。部位別では頚椎672例、胸椎113例、腰椎2248例、脊柱側彎症など834例、その他81例となっている。現在、江原副院長と同センターの岡本弘史部長のふたりが執刀している。

脊柱側彎症に対する手術は、前方矯正固定術と後方矯正固定術に加え、江原副院長が考案した傷痕の目立たない内視鏡を用いた小切開前方矯正固定術も数多く行っている。

「当院では若い方から年配の方まで難度の高い脊柱側彎症の手術を行っており、全国でも有数の手術件数となっています。ひとりでも多くの患者さんのために貢献していきたい」と江原副院長は意気込みを見せている。

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