徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

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Tokushukai medical group newspaper digest

2018年(平成30年)10月29日 月曜日 徳洲新聞 NO.1157 三面

山北病院
通院困難の患者さんに貢献
初期研修医が訪問診療

聴診する鈴木・初期研修医(中央)と佐藤・准看護師(右) 聴診する鈴木・初期研修医(中央)と佐藤・准看護師(右)

山北徳洲会病院(新潟県)が立地する村上市は、同県北端に位置し日本海に面する海と山にはさまれた地域だ。同院がある山北地区は2015年時点で人口5,803人、高齢化率は46.8%と高い。巡回バスを運行しアクセス確保に努めているが、通院困難な患者さんのため、限られたマンパワーのなか、訪問診療・看護にも取り組んでいる。

10月中旬の午後1時過ぎ、鈴木純・初期研修医と佐藤文子・准看護師が車に乗り込んだ。鈴木・初期研修医は札幌東徳洲会病院の所属で、10月から2カ月間、山北病院で地域医療研修を実施。午前中は外来、午後は病棟業務を行い、週に1度、訪問診療を実施している。

この日は海沿いの地区と山間部の地区にある2軒を訪問。鈴木・初期研修医が自らハンドルを握り15分ほどで93歳の女性患者さん宅に到着。訪問看護師として継続的に患者さんを看続けてきた佐藤・准看護師が体温、血圧、脈を測定。続いて鈴木・初期研修医が目、口の中を診て、心音と呼吸音を聴診。異常がないことを確認し、ふだんから服用している利尿剤などを処方した。

この患者さんは昨年12月に全身の強い痛みで入院、意識消失するなど一時は生命も危ぶまれたが、その後、回復して退院。心不全症状などがあるため投薬は続けている。鈴木・初期研修医は「だいぶ良くなりましたね」と、にこやかに話しかけ、患者さんが話す生い立ちに耳を傾けるなどコミュニケーションを取った。

山間部にある2軒目は99歳の女性患者さん。大腿骨頚部(だいたいこつけいぶ)骨折で入退院後、約3年前から通院困難のため訪問診療を開始。整腸剤や睡眠導入剤などを継続処方。つまずいた際に打った右腕が痛むという患者さんの訴えを聞き、丹念に患部を診察した。

帰りの車中で鈴木・初期研修医は「病院の診察室だと時間に追われることが多いですが、訪問診療では患者さんと、たくさんの会話を重ねながら診察できるのが良いですね」。佐藤・准看護師は「ご高齢の患者さんは精神的な面の援助がとても重要です。それには生い立ちや生活背景をしっかりと理解することが欠かせません。在宅看取りにも取り組み、患者さんや家族の不安を解消できるよう力を入れています」と話している。

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