2018年(平成30年)10月29日 月曜日 徳洲新聞 NO.1157 三面
港でトリアージ
屋久島病院
集団災害訓練に参加
待合所でトリアージにあたる病院スタッフ
屋久島徳洲会病院(鹿児島県)は9月21日、今年度の集団災害救急事故訓練に参加した。主催は地元の屋久島町と熊毛地区消防組合。集団災害事故の発生にともない、関係機関が連携しながら、情報の伝達と共有、救助・救護、二次災害の防止、負傷者の応急処置・搬送が迅速かつ的確に行える体制づくりが主な目的だ。屋久島病院を含め、地元の警察署や地区医師会、消防団、保健所、さらには鹿児島県や鹿児島海上保安部など12の関係機関が協力した。
訓練は、種子島から屋久島に向けて航行中の高速船が海上の漂流物と衝突、乗員・乗客に多数の負傷者が発生したという想定の下、屋久島島内の港で午後5時から開始。屋久島病院は消防署の要請により、山本晃司院長、看護師2人、事務職員2人の計5人が出動し、高速船の待合所などで船内から運ばれる模擬負傷者のトリアージ(重症・緊急度選別)を行った。
院内では職員が現場と連絡を取り、搬送患者さんの受け入れについて対応。負傷者役には同院の事務職員約20人が協力。
訓練は午後9時で終了。トリアージチームとして参加した船間春香・看護主任は「救急車の台数が限られているため、搬送している間、ほかの負傷者にどう対応すべきか考えたり、現場に向かう際に持参する物品を見直したりするきっかけになりました」と振り返った。
泊春代・看護部長は「かつて今回のシミュレーションのような事故が起こったことがありました」と明かし、この時は本土が近かったため同じ徳洲会グループの山川病院などが対応したエピソードを紹介。「訓練で明らかになった課題の解決に取り組むとともに、今後も訓練に参加し、事故が起こった際に当院が迅速に協力できるように努めたい」と気を引き締める。