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Tokushukai medical group newspaper digest

2018年(平成30年)10月29日 月曜日 徳洲新聞 NO.1157 四面

皆野病院
身体機能など低下予防
転倒リスクの低減に力

右から平井・代表理事、新井副主任、濱崎裕利果・管理栄養士、後藤部長、森泰彦・検査科副技師長、大峰智子薬剤師 右から平井・代表理事、新井副主任、濱崎裕利果・管理栄養士、後藤部長、森泰彦・検査科副技師長、大峰智子薬剤師

埼玉県秩父地方の山間部に立地する皆野病院。多職種が連携し、透析導入の一番の原因である糖尿病性腎症の重症化予防に取り組んでおり、昨年からは新たに身体・認知機能の低下を意味するフレイルや、骨格筋量・骨格筋力の低下を指すサルコペニアの発症予防に注力している。

同院栄養室の新井香織副主任(管理栄養士)は「透析導入を予防できても、転倒骨折などで寝たきりになっては意味がありません。糖尿病性腎症の重症化予防から一歩進み、適切なたんぱく質摂取と運動療法により、フレイルとサルコペニアを予防し、転倒リスクの低減を目指しています」と話す。

同院は千葉県立東金病院(2014年3月、千葉県循環器病センターに再編統合)の平井愛山院長(現・日本慢性疾患重症化予防学会代表理事)を2011年5月、院内勉強会の講師に招いたことがきっかけとなり、減塩・飲水指導と腎保護治療を中心とする糖尿病重症化・透析予防に積極的に取り組んできた。現在、非常勤医として皆野病院で糖尿病外来を受けもつ平井・代表理事とともに、院内外の多職種が参加する勉強会を開くなど、フレイル・サルコペニア予防を推進している。

GLP-1受容体作動薬など、腎保護作用のある糖尿病治療薬のなかには食欲抑制作用がある薬剤があり、たんぱく質摂取量の低下からフレイル・サルコペニアを発症し、骨格筋量の低下を招き、転倒リスクの増大が懸念されていることが背景にある。

同院の後藤敏夫・内科部長や平井・代表理事が受けもつ糖尿病患者さんに開眼片足立ちテストを行い、5秒以下を転倒ハイリスク群とし介入する。たんぱく質摂取量を評価するための食事記録表を患者さんに記入してもらい、栄養指導の際に、適切なたんぱく質摂取量や摂取方法などをアドバイス。

加えて、かかと上げ運動やタオルギャザー(タオルの上に足を置き、足指で手繰り寄せる運動)、ハーフスクワットなど自宅でできる運動療法も栄養指導のなかで助言。「介入することで開眼片足立ち時間が延び、転倒リスクの低減につながりました」と新井副主任は効果に手応えを感じている。

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