徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

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Tokushukai medical group newspaper digest

2018年(平成30年)10月29日 月曜日 徳洲新聞 NO.1157 三面

初の離島ブロック糖尿病懇話会開く
「病院を挙げて対応すべき」

第1回離島ブロック糖尿病懇話会が9月22日、名瀬徳洲会病院(鹿児島県)で開かれた。徳洲会グループの離島病院の糖尿病診療レベルの向上を図るのが狙い。同院に加え鹿児島県下の笠利病院、瀬戸内徳洲会病院、喜界徳洲会病院、徳之島徳洲会病院から医師、看護師、臨床検査技師、薬剤師、管理栄養士、リハビリテーションセラピスト、事務職員ら20人が参加した。

松浦・名瀬病院院長が発起人

松浦院長が糖尿病をテーマに講演 松浦院長が糖尿病をテーマに講演

発起人である名瀬病院の松浦甲彰院長は、懇話会を開いた理由として「糖尿病は薬だけではコントロールできず、患者さんによって治療方針は多種多様です。患者数が多いため専門医だけに任せられる状況にはなく、そもそも離島病院に専門医を配置できる余裕はありません」と現状を分析。「だからこそ病院を挙げて糖尿病対策に取り組まないといけません。医師だけでなく、薬、栄養、生活面など多角的に患者さんを診る必要があるため、多職種の連携が必要です」と説明する。

懇話会では、まず各院が自院の取り組みや課題をそれぞれ報告。「管理栄養士がひとりしかいないので、栄養指導まで手が回らない」、「糖尿病は症状がなく放置しがちなため、教育が必要」、「糖尿病の教育入院で持参薬のチェックを行った時に、なぜ飲んでいるのかわからない薬があった」など意見が出て、参加者で改善策を話し合った。

このなかで名瀬病院は10年前から多職種からなる糖尿病療養チームを立ち上げ、週に1回のカンファレンス(症例検討)や糖尿病教室、糖尿病患者さんの遠足といった取り組みを実践していると報告。勝山そのみ臨床検査技師長は「入院患者さんに境界型を含む糖尿病が隠れていないかチェックしています。専門外だと自分の患者さんが糖尿病だと気付かないことが多いので、多職種チームによる活動は効果があると考えます」と強調。

5病院から多職種20人が参加し情報共有 5病院から多職種20人が参加し情報共有

続いて、松浦院長が糖尿病をテーマに講義した。患者さんが毎日、体重測定をして目標をもって治療しているか、運動療法や食事療法は正しく行えているかなど基本的な知識を共有。啓発活動の大切さにも言及し、糖尿病教室や世界糖尿病デー(11月14日)などイベントの実施に加え、「まずは病院の職員が理解することが啓発活動の第一歩」と訴えた。

さらに早期発見のために、糖尿病の合併症である網膜症を調べる眼底カメラ検査と、腎症を調べる尿中アルブミン検査のふたつを、年に最低1回は実施すべきとアドバイス。松浦院長は「離島病院は応援の医師が多く、継続的に患者さんをフォローできないこともあるため、コメディカルから検査の提案などあると助かります。そのためにコメディカルのレベルアップは必要不可欠です」とまとめた。

各院とも懇話会で出た意見をもち帰り、自院職員への浸透を図り、病院全体で取り組んでいく方針を固め、閉会した。

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