徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2018年(平成30年)10月29日 月曜日 徳洲新聞 NO.1157 三面

山川病院 出雲病院
一次救命処置と回復期リハ
地域医療の充実で力を注ぐ

徳洲会グループの山川病院(鹿児島県)と出雲徳洲会病院(島根県)は、地域医療の充実に向け、最近、新たな活動を展開している。それぞれ一次救命処置の普及と回復期リハビリテーションの充実がそれだ。

離島・へき地医療特集

実習では各グループに山川病院の看護師が付いて指導 実習では各グループに山川病院の看護師が付いて指導

山川病院が展開しているのは一次救命処置の普及。「心肺停止の状態で何の処置もないまま当院に運ばれてくる救急患者さんが少なくない」(土持孝志看護師)状況をふまえ、2015年から一般の方を含め地域の公民館などでBLS(一次救命処置)の講習会を定期的に開いている。講師はTCLS(徳洲会二次心肺蘇生救急教育)コースを修了した看護師だ。

10月23日には徳洲会グループの中山クリニック(鹿児島県)で開催。車で約1時間かけて上野謙介事務長、生駒光弘・看護主任、松原雄二看護師、土持看護師、松窪久美看護師が赴いた。当日は、同クリニックの事務職員ら多職種18人が参加した。

精力的に活動する出雲病院の回復期リハビリ病棟スタッフ 精力的に活動する出雲病院の回復期リハビリ病棟スタッフ

講習では、はじめに土持看護師が講義。意識の有無や呼吸・脈拍の確認方法、心臓マッサージの方法、AED(自動体外式除細動器)の使い方などを説明。4グループに分かれ専用の人形を用いて実技を行った。同クリニックには約40人の職員が在籍しており、10月30日に2回目の講習を実施する。「心肺が停止すると1分ごとに10%ほど救命率が低下していきます。一刻でも早く救命処置が行えるよう、多くの地域の方に方法を伝えていきたい」(土持看護師)。

在宅復帰をサポート

多職種がそれぞれの専門的視点で在宅復帰に向け協議 多職種がそれぞれの専門的視点で在宅復帰に向け協議

出雲病院は患者さんの在宅復帰に注力。なかでも、昨年10月に開設した回復期リハビリテーション病棟が好調だ。同病棟は専任の医師をはじめ看護師、介護福祉士、事務作業補助者らが所属し、多職種が協力して患者さんの在宅復帰を促している。

このうち、とくに開設当初から充実を図っているのがリハビリに欠かせないセラピストの配置。開設時は理学療法士(PT)3人、作業療法士(OT)2人という配置だったが、現在はPT13人(専従8人)、OT3人(専従1人)、言語聴覚士1人に増員。

内田智リハビリテーション科副主任(PT)は「食事や排泄(はいせつ)など日常生活動作のレベルを点数化した指標がありますが、開設当初よりも、その指数が高くなっています」と、リハビリの効果が得られていることを強調。今年度の在宅復帰率は平均75%。

院内に併設している事業所や他部署とも連携。退院し、すぐに自宅での生活が難しい患者さんの場合は、介護老人保健施設出雲徳洲苑でのリハビリを経て在宅復帰を促すほか、在宅復帰した患者さんには訪問リハビリを提供しフォローする。「直近では月間訪問リハビリの件数が延べ255件でした。切れ目のないリハビリを意識しています」と内田副主任。

課題は人材育成。内田副主任は「最近は平均在院日数の短縮化で急性期から回復期に患者さんが転棟してくるタイミングが以前に比べて早い。当病棟は若いスタッフが多いため、リスク管理を含め教育に力を入れて質を向上させたい」と意欲的。

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