2018年(平成30年)10月29日 月曜日 徳洲新聞 NO.1157 二面
館山病院
新病院で医療観光も
新築移転計画スタート
「医療圏の特性に合わせ、地域に貢献したい」と竹内院長
東京から高速バスで約2時間。房総半島南部に位置する千葉県館山市にあるのが館山病院だ。同市は風光明媚(めいび)な海景と温暖な気候が特徴だ。
同市の人口は、2017年10月1日時点で4万7467人と微減傾向。一方、高齢化率は年々上昇し、同時点で37.9%。地区によっては50%を超える。
同院は老朽化により建て替えが課題となっていたが、移転先の土地が決定し、21年度の竣工予定で新築移転計画がスタート。立地は現病院から北東方向に直線距離で約1.5㎞の幹線道路沿いだ。
「医療圏の特性に合わせた病院とし、地域医療に貢献していきたい」と意気込みを見せる竹内信一院長は、新病院に関し5つのコンセプトを掲げている。①中規模、地域密着型、ケアミックスの病院とし機動力を発揮、②リハビリテーションを核とし急性期・回復期・慢性期の診療体制を整え、外科系診療科の手術対応を強化、③災害対応できる病院、④在宅医療や介護との関係強化、⑤優秀な人材の採用と地域の人材育成に貢献。
館山湾に面する館山市の街並み
館山市は温暖で豊かな自然に囲まれ、療養環境としても恵まれていることから、地の利を生かし「メディカルペニンシュラ(半島の病院)」として、メディカルツーリズム(医療観光)も推進していきたい考え。たとえば、地域の旅館などとタイアップし、房総エリアの観光を楽しみながら館山病院で人間ドックを受け、健康管理に役立ててもらおうという構想だ。
病診連携に関してはすでに、診療所から急変患者さんを受け入れたり、在宅患者さんのレスパイト(介護者の休息)目的の入院を受け入れたりするなど、地域のニーズに応じた機能を提供。検査目的の紹介もコンスタントにあり、9月はCT(コンピュータ断層撮影)38件、MRI(磁気共鳴画像診断)65件と、毎月計100件ほどに上る。