徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP 45th

病気の治療

medical treatment

消化器外科の病気:胆石症・胆管炎

日本人の胆石保有率は増加傾向

胆汁は食事で摂取した、主に脂肪分の消化・吸収を助ける黄褐色の消化液で、肝臓で1日に500ml程度つくられています。この胆汁が通る道を胆道と呼びます。胆道は肝内胆管、肝外胆管、胆嚢に分けられます。

胆嚢は、胆汁の貯蔵庫のような働きをしています。食事をとると、胆嚢内で濃縮された胆汁は胆嚢が収縮することにより肝外胆管に送り込まれ、十二指腸に流れ出し消化の手助けをします。

胆石症は、この胆道に結石ができる病気の総称で、結石ができる場所によって、肝内結石、胆管結石、胆嚢結石に分類されます。食生活の欧米化や高齢化などにより、日本人の胆石保有率は上昇しています。性別では男性に比べ女性で多いといわれています。

原因は生活習慣病など

結石の成分により原因はさまざまですが、代表的な胆石の原因としては、肥満、高脂血症、糖尿病や、胆汁への細菌感染が契機になるもの、などがあります。

胆管結石では腹痛が出現

症状の現れ方も結石のできた部位によってさまざまです。

胆嚢結石
胆嚢に結石があっても多くの場合は無症状です。結石が胆嚢の出口につまると、急激に症状が出現します。上腹部や右季肋部の周期的な痛みがあり、背中や右肩に痛みを伴うこともあります。また、胆嚢の出口に結石がつまったままだと、胆嚢内の胆汁の流れが淀んでしまい、ここに細菌が感染すると急性胆嚢炎という状態に移行し、持続する腹痛、高熱、敗血症などを発症します。一般的には胆嚢結石や胆嚢炎で高度の黄疸を認めることはあまりありません。
胆管結石
胆管内の結石により胆汁の十二指腸への流れが妨げられ、腹痛が出現します。また、胆管内にたまった胆汁が逆流し、黄疸も現れます。胆管内の胆汁に感染が起こると高熱、振るえが生じ、場合によってはショック状態(血圧低下)も起こります。この状態を急性閉塞性化膿性胆管炎といいます。適切な治療をしても、なお危険な状態になる可能性もある、重篤な病気です。

超音波検査による検出率が高い

結石の検出には、画像診断が有用です。まず最初に行うことが多いのは超音波検査です。簡便で注射などの準備も必要なく、放射線も使わないことから安全性も高い検査です。超音波検査では胆嚢結石の検出率は高いのですが、総胆管結石に関してはわからない場合もあります。

CT検査は、腹部全体や胆嚢、胆管周囲の状態を見るのには優れていますが、結石の検出率に関しては、実はそれほど高くありません。

MRI検査の一種であるMRCPは、造影剤なども使用せずに、胆嚢~胆管の走行とその内部の結石の描出に非常にすぐれています。検査時間は比較的長くなります。また、胆嚢炎や胆管炎の場合は、採血検査なども診断の役に立ちます。

胆嚢ごと切りとっても問題なし

胆嚢結石は、無症状であれば経過観察をするのも一つの手段です。何か症状がある人(または以前症状が出現した人)は基本的に治療の対象となります。

胆嚢結石治療の第一選択は手術(胆嚢摘出術)になります。現在では腹腔鏡手術が標準治療となっており、小さな傷で胆嚢を取り出すことができます。しかし、状況に応じて開腹手術が選択されることもあります。

胆石の手術なのに、なぜ胆嚢までとるのかという疑問をもつ方もいますが、結石だけをとるほうが胆嚢ごと摘出するよりもむしろ手術として難易度が高く、結石ができるような胆嚢が病気のもとであるわけですから、胆嚢摘出術は胆嚢結石の根治的な治療といえます。

また胆嚢を摘出した後の影響を懸念される方がいます。しかしほとんどの方においては日常生活にはあまり影響ありません。脂肪分の多い食事を大量に摂取したあとに下痢を起こすことが稀にありますが、整腸剤などで対応可能です。

総胆管結石は原則として全例治療適応です。第一選択はERCP(内視鏡下逆行性膵胆管造営)です。胃カメラと同じようなカメラを口から挿入し、胆管の出口である十二指腸から、逆行して胆管の中にチューブや処置具を入れる、検査兼治療になります。ERCPであれば、腹部を切開する必要がなく、比較的体に優しい治療と言えます。症例によっては開腹手術や腹腔鏡手術が選択されることもあります。

胆嚢結石も総胆管結石も、細菌感染を合併した際には抗生剤投与が必要になります。

バランスの良い食事と適度な運動を心がける

予防法として確実なものはありませんが、食事は脂肪分を多く取らないようにバランスの良い食事を心がける、適度な運動および適正な体重を保つ、などが挙げられます。

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