徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP 45th

病気の治療

medical treatment

消化器外科の病気:急性膵炎

自らの消化酵素で膵臓や他臓器を障害

膵臓は、タンパク質の分解に必要な酵素を分泌しています。通常はそれらの消化酵素が膵臓自体を消化してしまわないように安全に働いているのですが、何かの原因でうまく機能しなくなったときに、膵臓は自らの消化酵素で膵臓自身を消化し始めます。この現象が起こると、膵臓に浮腫(むくみ)、出血、壊死などの急性炎症が起こります。

炎症は膵臓だけでなく、周囲の臓器や血流にのって全身に影響することもあります。そのために心臓、肺、肝臓、腎臓、消化器官などに影響がおよぶこともあります。重症の急性膵炎は、全身の症状を伴います。

飲酒量が多くなると発症率が上昇

急性膵炎の原因で一番多いのはアルコールです。次に多いとされているのは胆石です。この2つで急性膵炎の原因の大部分を占めています。男性はアルコール性、女性は胆石性が多い傾向にあります。その他、原因不明の特発性や薬剤性、外傷性、医原性、自己免疫性、高脂血症に伴うもの─などがあります。

アルコールに関しては、飲酒量が多くなると膵炎の発症率が増すという研究報告もあります。胆石は、肝臓でつくられる胆汁の通り道である、胆道にできる結石です。膵臓の中にも膵液を運ぶ膵管という管があり、胆道と膵管は最終的に合流して腸に消化酵素を流しています。胆石が胆道の出口につまり、膵管の流れを阻害したときに、急性膵炎を発症します。

症状は腹部や背中の強い痛み

一番多い症状は上腹部痛です。比較的急激に出現し、強い痛みとなることが多いです。食後に出現することもよくみられます。膵臓という臓器が比較的背部よりにあるため、背中が痛い、といって受診される方もいます。また吐き気、嘔吐、食思不振や、発熱などを伴う場合もあります。

採血とエコー等で診断

診断のために、まず採血検査で膵臓の酵素が上昇しているかをみます(アミラーゼ、リパーゼ、エラスターゼなどの酵素)。そして、エコーやCTで膵臓の腫大や炎症の波及がないかどうかを確認します。これらの検査によって大部分の症例で急性膵炎であると診断ができます。

絶食と十分な点滴が治療の柱

治療の大きな柱は、絶食と十分な点滴を行うことです。食事をすると膵臓の消化酵素がより活発になるため、絶食して膵臓を休めます。また急性膵炎は、おなかの中に浸出液(水が血管などから染み出した状態)がたまります。すると本来水分が必要な血管内で水分不足となります。そのため、十分な点滴が必要となります。その他の治療としては、抗生物質や膵臓の酵素を押さえる薬剤、胆石を除去する処置など、それぞれの症例に応じて行っていきます。

一部で重症膵炎に進行も

多くの場合、上記の治療によって数日から2週間程度で改善します。しかし、一部には治療にもかかわらず膵炎がどんどん進行する、重症膵炎に移行する例があります。また重症膵炎は死亡率10%という報告もあり、非常に危険な病気の一つです。

アルコールはほどほどに

予防は、やはりアルコール摂取の制限が一番となります。また、健康診断などで胆石を指摘されたことがある方は、予防的に胆石を摘除する必要があるかを医療機関で相談するのがよいと思われます。

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