徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

病気の治療

medical treatment

消化器外科の病気:胃十二指腸穿孔

胃十二指腸穿孔は発症すると急激におなかが痛くなり、放置すると腹膜炎になり命にかかわる危険な病気です。しかし早期に受診、検査を行うことで予防もできます。

胃や十二指腸の潰瘍が進行

胃十二指腸穿孔の原因のほとんどは胃十二指腸潰瘍です。場合により胃がんなどが原因で穿孔することもあります。

胃十二指腸潰瘍の原因の多くはピロリ菌感染です。NSAIDsと呼ばれる解熱鎮痛薬も原因となります。最近では健診でもピロリ菌感染の有無を調べることができます。

症状は上腹部の急な痛み

胃十二指腸穿孔の症状としては急な上腹部痛で発症することが多いです。時間が経過すると腹膜炎となってくるために腹部全体の激しい痛みと悪化することがあります。

多くの場合、胃十二指腸潰瘍の症状が先行することが多く、その時点で受診することが重要です。初期症状は患者さんによって異なりますが、上腹部の持続的な痛みや胸やけ、膨満感、食思不振が起こることが多いです。胃潰瘍の場合は食後の痛み、十二指腸潰瘍の場合は空腹時の痛みで現れることが多いといわれています。吐き気やおう吐などの症状が起こることもあります。

先行する潰瘍の症状が出たら検査を

症状から胃十二指腸潰瘍が疑われたら、内視鏡検査が必要です。腹痛の性状だけでは正確に診断するのは困難です。潰瘍と思っても実際はそうでなかったり、ときにはがんであったりすることがあります。症状があるにもかかわらず受診しないでいると、だんだん悪化してきて合併症をきたすこともあります。確定診断は、内視鏡検査で組織を採取し、病理診断を行います。ピロリ菌の診断には、病理組織や血液検査、呼気の検査を行います。

胃十二指腸穿孔が疑われる場合はCT検査を行います。腹腔内に空気や胃液などがもれていることが消化管穿孔を疑う手がかりになります。

突孔ができたら基本は手術

胃十二指腸潰瘍の治療の中心は薬物療法になります。最近では効果の高い薬が開発され、手術が必要となることは少なくなりました。PPIやH2ブロッカーと呼ばれる胃酸分泌抑制薬で治療を行います。ピロリ菌が陽性の患者さんは除菌治療を行います。

薬物治療を行っても出血や強い症状が続く患者さん、穿孔を起こした患者さんでは多くの場合、手術が必要です。小開腹や腹腔鏡下に穿孔部位を閉鎖、大網と呼ばれる腹腔内の脂肪組織を用いて被覆します。原因ががんである場合、大きな穿孔の場合や、穿孔を繰り返すような患者さんでは胃の半分〜2/3をとる手術が必要となることがあります。症状が軽度の患者さん、発症早期の患者さんでは手術をしないで薬物治療で自然閉鎖を期待する方法をとることもあります。

胃に負担をかけない生活が大切

胃十二指腸潰瘍は多くの場合、薬物療法で治療が可能ですが、再発させないようにするためには胃に負担をかけないような生活を心がける必要があります。例えば、暴飲暴食を避ける、香辛料のとりすぎに注意する、ストレスをためない、禁煙、などがあります。

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