徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2020年(令和2年)10月5日 月曜日 徳洲新聞 NO.1256 一面

安全な輸血を担保する第三者評価取得
仙台病院が輸血機能評価認定
湘南鎌倉病院に続きグループ2施設目

仙台徳洲会病院は輸血機能評価認定(I&A)を取得した。これは安全かつ効果的な輸血の実施体制を担保する第三者評価で、日本輸血・細胞治療学会による制度。同院は従来から安全な輸血を心がけていたが、さらに質を高めようと2019年、本格的に認定取得活動を開始した。マニュアルをはじめ院内のシステムを見直すとともに、輸血療法委員会のメンバーも増員するなど、活動を通じ病院全体で取り組む機運が高まったという。認定の有効期間は5年。宮城県で同認定を取得しているのは3施設目。徳洲会グループでは湘南鎌倉総合病院(神奈川県)に続き2施設目。

製剤管理から実施後まで改善

認定証とともに病院幹部(前列右から3人目が佐野院長)と委員会メンバー認定証とともに病院幹部(前列右から3人目が佐野院長)と委員会メンバー

輸血療法は手術室をはじめER(救急外来)、ICU(集中治療室)、病棟など医療機関のさまざまな場所で広く行われている。適正に行われた場合には、きわめて有効性が高いが、適正に行われなければ、かえって患者さんの容態が悪化しかねず、厳格な体制が欠かせない。

各医療機関は厚生労働省が示す指針やマニュアルに従い、安全な輸血療法に尽力。ただし、指針やマニュアルに強制力はなく、明記のない細かい部分などについては独自のルールを設けるなど、各医療機関の自主性に任されているのが実状だ。

こうした背景をふまえ、日本輸血・細胞治療学会は輸血の安全を保証するために適切な管理を行っているか否かを評価するシステムとして、輸血機能評価認定制度を発足。輸血医療に関する知識と実践力を備えた視察員がI&A(点検と認定)を行うことで、医療機関での安全かつ効果的な輸血が、さらに確実に行われることを目指している。

認定を取得するには基準を満たさなければならない。2年ごとに更新され、現在は①輸血管理体制と輸血部門、②血液製剤管理、③輸血検査、④輸血実施、⑤副作用の管理・対策、⑥輸血用血液の採血――の6つのカテゴリーを設置。各カテゴリーには「輸血療法委員会(または同様の機能を有する委員会)を設置し、年6回以上開催している」、「輸血用血液の在庫・保管管理は輸血部門で、24時間体制で一元管理している」、「輸血開始5分間はベッドサイドで患者の状態を観察し、記録している」など、具体的な項目を定めており、その数は33に及ぶ。

審査は書類と実地で、まず医療機関が輸血に関する院内の体制やマニュアルなどを提出。その後、審査員が医療機関を訪れ輸血を扱う各部署を視察し、マニュアルに基づく手順などを確認したり、記録をチェックしたりする。不備があれば指摘を受け、医療機関は改善後、再申請するという流れだ。指摘は認定事項と重要事項に分かれ、少なくとも認定事項はすべてクリアしなければならない。

2人の看護師が活動中に「臨床輸血看護師」を取得

血液バッグの受け渡しで、誤ったものでないか確認血液バッグの受け渡しで、誤ったものでないか確認

仙台病院は佐野憲院長の指示の下、19年に認定取得のための活動を本格化。多職種で構成する輸血療法委員会が中心となり、体制や環境を見直した。具体的には、細かい作業工程の明文化などマニュアルの変更や、テンプレート(ひな型)作成による記録の統一・簡便化など。設備の更新なども行った。

そのうえで、昨年7月に受審を申請、今年1月に視察を受けた。テンプレートを活用した記録などは高評価だったものの、認定事項で3項目(①輸血を行いながらも委員会に所属している医師が少ない、②委員会活動に輸血の実績報告だけでなく症例検討も明記、③緊急時のマニュアルがわかりにくい)、重要事項で8項目(輸血に関する院内での監査を年2回以上実施するのが望ましいなど)の指摘を受けた。

指摘をふまえ、同院は改善策として委員会メンバーの増員やマニュアルの改正、症例検討会の実施、院内監査の計画など迅速かつ柔軟に対応。改善内容の報告後、8月下旬に認定取得の連絡を受けた。認定は4月1日付で、期間は25年3月31日までの5年間。

同委員会のメンバーでもある高橋利恵・検査科副主任(臨床検査技師)は「フローチャートやチェックリストを作成するなど、確認しやすい環境を整えました。電子カルテも一部は手入力で書き方などに個人差が見られたため、記録の質を高めつつ作業負担も軽減するよう看護師メンバーが工夫したりしました」と説明。次いで、「認定取得まで苦労しましたが、細かくチェックしていただいたことで自信につながるとともに、受審を通じ職員の意識も高まりました」。

伊藤めぐみ看護師も「委員会に新たな職種が加わったり、医師の数を増やしたりしました。看護師も以前は医療安全管理者、手術室・HCU(高度治療室)・DS(日帰り手術室)の看護師だけでしたが、各病棟から参加するなど、新しいメンバーも増えました。より安全で適切な輸血を確実に行うことに病院全体で取り組む雰囲気が生まれつつあります」と声が弾む。

活動期間中に2人の看護師が同学会認定の臨床輸血看護師の資格も取得。高橋副主任は「22年には新築移転を予定しています。認定取得病院として気を引き締め、委員会の規模・活動内容を充実させるなど、今後も一層努力していきたいです」と目を輝かせる。輸血機能評価認定施設は全国に153施設。徳洲会グループでは、仙台病院以外に湘南鎌倉病院が17年に取得している。

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