徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2020年(令和2年)6月22日 月曜日 徳洲新聞 NO.1241 二面

病気のはなし⑱
難病指定で経済的負担減
特発性多中心性キャッスルマン病

2018年4月に指定難病となった「特発性多中心性キャッスルマン病」は、キャッスルマン病のなかでもリンパ節腫大の病変が複数の領域にわたる原因不明の疾患だ。症状は倦怠(けんたい)感、発熱、貧血、リンパ節腫脹(しゅちょう)、肝脾腫(かんひしゅ)など多岐にわたり、とくに初期症状は倦怠感や微熱などかぜ症状とよく似ているうえ、医療者の間でも認知度は低い。「多くの診療科を回りながらも診断が付かないケースもあります」と同疾患を長年研究している医療法人徳洲会の吉崎和幸顧問(大阪大学名誉教授)

治療法は吉崎顧問らが開発したIL-6阻害薬トシリズマブ(商品名:アクテムラ)があるが、難病指定前は高額療養費制度を利用しても月に5~10万円程度(年齢や所得により変動)の医療費がかかり、重い負担となっていた。難病指定後は医療費助成制度により月上限3万円まで減額、またウェブサイトなど通じ地域中核病院を公示し診療体制も整備した。

ただ、指定難病は認定基準が厳しく、薬で症状を抑えると著しく改善することから難病認定を更新できない患者さんもいる。吉崎顧問らは同疾患の難病指定時に「病理学的にも診断が付いていれば無症状でも更新可能」との条件を示し、治療継続への道をつけた。同疾患には患者会(http://www.eonet.ne.jp/~castleman)があり、吉崎顧問は「診療で困ることがあれば、厚生労働省研究班か患者会に相談してください」と呼びかけている。

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