徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2019年(令和元年)10月7日 月曜日 徳洲新聞 NO.1205 一面

南部病院
放射線治療の副作用軽減
ハイドロゲルスペーサ留置術導入

南部徳洲会病院(沖縄県)は前立腺がんの放射線治療に、ハイドロゲル(三次元の網目構造内に水分を含んだ物質)を用いたスペーサ留置術を導入した。これはハイドロゲルにより、直腸と前立腺の間にスペースをつくり、直腸への照射を低減する治療法で、昨年6月に保険適用された。体の外から放射線を当てる外照射に同治療法を用いるのは県内初の試みだ。

トモセラピーもアップグレード

泌尿器科の向山部長(左)と放射線治療科の眞鍋医長が密に連携 泌尿器科の向山部長(左)と放射線治療科の眞鍋医長が密に連携

前立腺がんの治療は進行度合いにより、手術、放射線治療、ホルモン療法を組み合わせて行う。同院の放射線治療科は、2012年に県内で初めて高精度放射線治療装置「トモセラピー」を導入。泌尿器科と強固に連携し、患者さんの要望に応じた治療に尽力している。

前立腺は直腸と近接しているため、前立腺に放射線を照射すると、どうしても直腸にまで当たり出血などを来すことがある。ハイドロゲルを用いたスペーサ留置術を併用すれば、直腸と前立腺の間に10㎜前後のスペースができ、直腸が高線量域に触れないようにできる。また、注入したハイドロゲルは痛みを引き起こすことなく、放射線治療の実施期間中は注入した部位にとどまり、放射線治療の終了後は徐々に体内に吸収される。

同治療法の導入により、同院では前立腺がんに照射する放射線量を従来の2・0グレイから2・5グレイにアップ、照射回数も39回から28回にまで減らすことができた。7月17日に1例目を実施、以降、順調に症例数を伸ばしている。眞鍋良彦・放射線治療科医長は「ハイドロゲルを挿入する際に、局所麻酔下での針刺しは必要ですが、最低限の侵襲で最大限の効果が得られる治療法だと思います」と胸を張る。

図 ハイドロゲルを用いたスペーサ留置術 図 ハイドロゲルを用いたスペーサ留置術

ハイドロゲルを注入する手技を担う向山秀樹・泌尿器科部長は「とくに離島の患者さんを治療する場合には、治療日数が短くなることに加え、合併症が起こらないことも大切なので、とても有用です」と太鼓判。眞鍋医長は「今後、サイバーナイフが導入された場合、5回の照射で治療が終わるので、さらに患者さんの負担も減らせると思います」と展望する。

同院では7月にトモセラピーをアップグレード、よりピンポイントにターゲットを照射できるダイナミックジョーという技術が搭載された。眞鍋医長は「患者さんに副作用なく治療を完遂していただくため、これからも最新の技術に目を向けながら、努力していきます」と意欲的だ。

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