徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

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Tokushukai medical group newspaper digest

2018年(平成30年)11月19日 月曜日 徳洲新聞 NO.1160 二面

貧血になりやすい高齢者
原因が複数重なることも

葉山ハートセンター(神奈川県)の田中江里院長は「世界保健機関(WHO)の定義では、貧血とはヘモグロビンが男性13g/㎗未満、女性12g/㎗未満。また、65歳以上の10%くらいが貧血に当てはまり、85歳以上だと20%にもなる」と指摘。高齢者の貧血では活動性が低下し、さらには転倒リスクも高くなる。貧血の原因は栄養障害、慢性腎不全、慢性炎症、消化管の悪性腫瘍や、MDS(骨髄異形成症候群)など。

鉄欠乏性貧血は、まず胃がんや大腸がんなど消化器の悪性疾患を除外する必要がある。高齢者では歯が悪くて食事摂取量が十分ではなかったり、あるいは一人暮らしで食事意欲が低下したりしている場合なども要注意だ。胃を切除した人は、ビタミンB12の吸収が悪くなり、実は鉄分の吸収も悪くなる。大量のアルコール摂取は葉酸の吸収と代謝を妨げ、赤血球をつくることがうまくできなくなる。

田中院長は「高齢者の貧血の原因は1種類でなく、複数が関係していることがあり、要注意です。なかには血液系の疾患が隠れていることもある。採血して貧血以外にも白血球や血小板の異常があれば、早めに血液内科に相談することが肝要です」。

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