徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

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Tokushukai medical group newspaper digest

2018年(平成30年)11月19日 月曜日 徳洲新聞 NO.1160 二面

神奈川県感染症医学会
「ICTメンバー全員集合!」が大会テーマ
徳洲会2題 学術奨励賞

第84回神奈川県感染症医学会が横浜市で行われ、湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の佐藤守彦・感染対策室部長が大会長を務めた。大会テーマは「ICTメンバー全員集合!」。徳洲会グループは8施設が計9演題を発表。うち2演題が学術奨励賞に選出された。

湘南鎌倉病院の佐藤部長大会長

「県全体の医療・介護のレベルアップを」と佐藤部長 「県全体の医療・介護のレベルアップを」と佐藤部長

学術奨励賞に選出されたのは、東京西徳洲会病院の菱川敬規・初期研修医が発表した「髄膜炎菌敗血症による急性感染型電撃性紫斑病を来した1例」。40歳台男性が早朝、突然、嘔気(おうき)をともなう左腰背部痛により、救急要請し当院に搬送。来院時は症状や検査から腎盂(じんう)腎炎、腎梗塞が考えられたが、結果的に急性感染型電撃性紫斑病だったケースを報告した。

患者さんは入院30日目に退院した。菱川・初期研修医は表彰式で、「いろいろな場で、こうしたまれな症例があったことを報告し、少しでも医療の発展に貢献していきたい」と抱負を語った。

受賞スピーチで関係者に謝意を示す菱川・初期研修医 受賞スピーチで関係者に謝意を示す菱川・初期研修医

もう1演題は、特別養護老人ホーム(特養)逗子杜の郷(神奈川県)の田邉笑美子施設長の「アウトブレイクからの学び~インフルエンザから高齢者を守る~」。外泊から戻った入居者さんがインフルエンザに罹患(りかん)し、施設内で感染が広まったケースを経験。田邉施設長は伝播感染の原因を検証したところ、外出泊後や病院への定期受診、家族や職員など外部からのもち込みだったことなどが判明した。

標準的な予防策、机や手すりなど環境消毒の手順を職員全員がマスターするまで教育した結果、インフルエンザの施設内感染が皆無になったことを示し、「適切な方法で感染経路を遮断することで、より安全で安心して暮らせる施設になることが実感できました」と締めくくった。

田邉施設長は過去の教訓を生かした取り組みを報告 田邉施設長は過去の教訓を生かした取り組みを報告

このほか、日野病院(同)の坂本禮子・看護師長が発表した「精神科の感染対策~インフルエンザ発生の経験から~」が会長賞に選ばれた(小紙1156号で既報)。

一般演題以外に特別講演なども盛り込まれ、シンポジウムでは佐藤部長が座長のひとりを務めた。大会テーマにふさわしく、医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、管理栄養士、介護福祉士など多職種が参加。

そのほかの徳洲会グループの一般演題発表は次のとおり(いずれも施設は神奈川県)。▼唐岸晃子・特養逗子杜の郷看護師「陰洗マスター教育により尿路感染症を防ぐ」▼小島直美・湘南厚木病院看護師「中心静脈カテーテル関連血流感染 サーベイランス導入後の8年間の活動報告」▼磯和祐喜子・介護老人保健施設(老健)リハビリケア湘南かまくら看護主任「二酸化塩素ガスを用いた環境衛生の検討」▼峯由美子・特養かまくら愛の郷看護主任「介護老人福祉施設における用手洗浄」▼市岡智子・葉山ハートセンター感染管理認定看護師「当院における肺結核症例の対応~塗抹陰性・培養陽性結果の対応方法を策定~」▼櫻井万寿子・老健かまくら看護副主任「介護老人保健施設におけるインフルエンザの集団発生の検証と手指消毒を主とした対策について」

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