2018年(平成30年)11月19日 月曜日 徳洲新聞 NO.1160 四面
北原・千葉病院副院長
開発途上国で講演
世界脳神経外科連盟の技術援助
ウズベキスタンで手術のアドバイザーを務める北原副院長
千葉徳洲会病院の北原功雄・副院長兼脳脊髄(せきずい)神経外科センター長はナイジェリアとウズベキスタンで、それぞれ現地の医師に向け講演した。これは世界脳神経外科連盟(WFNS)の開発途上国への技術援助の一環で、今回で8カ国目、9回目。
ナイジェリアでは講演3演題とライブ手術の解説を行った。講演は「前交通動脈瘤(りゅう)における半球間裂の剥離(はくり)の方法」、「錐体(すいたい)斜台髄膜腫の手術の要点」、「三叉(さんさ)神経痛の手術方法」がテーマ。ライブ手術の解説では、日本人医師による動脈瘤の手術に対し、「数ある術式のなかから、今回の条件では、こういうアプローチが必要になるなど情報を提示したうえで、実際の現場で、どのような手技が行われているか詳しく説明しました。第三者による解説があると、手術の理解は深まります」(北原副院長)。
ウズベキスタンでは講演を1演題。前日入りした北原副院長は、空いた時間を利用し現地の病院を視察した。そこで聴神経腫瘍の手術を見学していた際、意見を求められ急きょアドバイザーとして参加。日本で使用している医療器具がなかったため、現地にある器具を駆使し、より安全に最大限の効果を上げるための工夫を考え指導した。
翌日、「聴神経腫瘍摘出における顔面神経保存の方法」をテーマに講演。日本で行っている手術と前日にサポートした手術の比較に関する考察も加え、「日本で使っている器具があれば、より安全に手術できるが、創意工夫で手術することもできます」とアドバイス、会場からは拍手が湧き起こっていた。