徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

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Tokushukai medical group newspaper digest

2018年(平成30年)11月19日 月曜日 徳洲新聞 NO.1160 四面

屋久島病院
医療安全研修会を開催
メディエーションは初

「患者さんとの良い関係づくりを」と本藤・副看護部長 「患者さんとの良い関係づくりを」と本藤・副看護部長

屋久島徳洲会病院(鹿児島県)は今年度の医療安全研修会を開催した。例年、2回実施しており、今回は1回目。同じ内容のプログラムを2日間連続で行い、多職種計157人が出席した。テーマは「メディエーション」で、同研修会では初めて。紛争の解決手法のひとつで、中立的な第三者(メディエーター)が対立する当事者同士に対話を促し、解決策を見出す。

講師は日本医療メディエーター協会シニアトレーナーの資格をもつ榛原総合病院(静岡県)の増田伊佐世・看護責任者が務めた。

増田・看護責任者は、まずコンフリクト(対立・衝突)について説明。「ある事象に対する認知が相いれない形で存在している状況」と示し、医療の場合、経験や知識、世界観、日常などに基づいて形成される「認知フレーム」が医療従事者と患者さんで異なるため、両者間で起こりやすいと指摘した。

そのうえで医療メディエーションを解説。傾聴のポイントや交渉のためのコミュニケーションスキル、怒りへの対応方法などを提示した。

参加者同士で会話をする時間も設け、話に耳を傾ける重要性を体感 参加者同士で会話をする時間も設け、話に耳を傾ける重要性を体感

また、院内の相談窓口を含め全医療従事者に向けた「メディエーター的一次対応の基本姿勢」として、①共感的理解、②相手への肯定的な関心、③第三者的立ち位置、④適切な対話の場づくり、⑤オープンな姿勢(話しかけやすい雰囲気)、⑥院内スタッフとの信頼関係構築―を挙げ、「職員一人ひとりの真摯(しんし)な傾聴がコンフリクトを防ぐ」と締めくくった。

研修を企画した本藤咲子・副看護部長は「徳洲会グループの医療安全管理部会の2日間研修に出席してメディエーションを学び、自院でも広めたいと思いました」と説明。「勝手な解釈で話を進めないように注意したい」といった感想が参加者から寄せられていることを受け、「今後も定期的に学べる機会を設けたい」と意気込んでいる。

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