2018年(平成30年)8月6日 月曜日 徳洲新聞 NO.1145 三面
木村・札幌医大教授
医師の育成テーマ
「教育が人を呼ぶ」
「長い目で人を育てることが大切」と木村教授
札幌医科大学医療人育成センター教養教育研究部門の木村眞司教授(英語担当)は「現場で医師を育てる」をテーマに講演した。自己紹介として神奈川県にある茅ヶ崎徳洲会総合病院(現・湘南藤沢徳洲会病院)や大和徳洲会病院に勤務した経験を披露。まず講演のエッセンスを説明し、このなかで「教育が大切だということを職員が理解することが必要。病院全体で育てるという雰囲気づくりが大切です」と強調した。
木村教授が若手の医師や学生を指導する際に気を付けていることとして、「失敗談を共有する」、「ダラダラとしゃべらずポイントを絞る」、「問答する」などを列挙。なかでも「責めない」こと、たとえば「なんでこれやってないの」と言うのではなく、「これやるとよかったね」ときちんと〝指導〟することが大切だと語気を強めた。
続いて「医師不足の病院でどのように医師を確保するか」と問題提起。セミナー参加者の意見を聞いたうえで①学べる、②伸びることができる、③思いを実現できる―ところに人は集まると説明。だからこそ、長い目で人を育てることが大切であるとし、良い学びが口コミで広がることで人を呼ぶと訴えた。
総合診療医についても言及。総合診療医には、患者さんや家族、地域を丸ごと診る、全体を把握してコーディネートする役割がある。この育成には牽引(けんいん)役(外部から人を呼んでも可)が必要であり、教育のためのネットワークづくりが肝要であると説明した。
木村教授が主催するインターネット学習会も紹介。毎回、全国100施設以上が参加し、徳洲会からも5施設が参加している。
最後に木村教授は「背中を見せる、姿勢を見せることは大切。しかし、背中や姿勢だけでは教育できません」とメッセージ。講演終了後は積極的に質疑応答が行われた。