「患者さんが理解できるようサポートしてほしい」と山口理事長

認定ＮＰＯ法人ささえあい医療人権センターＣＯＭＬ（コムル）の山口育子理事長は「患者と医療者のコミュニケーション」をテーマに講演した。

コムルは患者さんが自立・成熟し、主体的に医療に参加することを目指し活動。また患者さんと医療者が協働する医療現場や、より良いコミュニケーションを実現するため、電話相談や病院探検隊、模擬患者、各種講座の開催などに取り組む。

電話相談では長年、「ドクターへの不満」が上位と紹介。内容は「説明不足」、「対応がいい加減」、「話や思いを聞いてくれない」など。このうち説明不足に関してはインフォームド・コンセント（説明と同意）が定着してきたものの、一方通行の情報提供が多く、専門的な内容で理解が追い付かないこともあると指摘。

「理解できないことは聞いていないのと同じで、つまり説明不足と感じる患者さんがいます。医療者は、患者さんに文書を渡したり、メモを取ることを勧めたりするなど、理解できるようサポートしてもらえるとありがたいです。一方、患者側には、自分の思いや理解・解釈した内容を言語化する努力が求められます」

最後に、不安・不信感を回避する“ひとこと”の大切さ、笑顔やまなざしの重要性を強調した。