徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2016年(平成28年)5月2日 月曜日 徳洲新聞 NO.1029 一面

福岡徳洲会病院
地域災害拠点病院に指定
徳洲会グループで3施設目

福岡徳洲会病院は福岡県から地域災害拠点病院に指定された。徳洲会の病院で地域災害拠点病院に指定されたのは3施設目。2014年の新築移転を契機に、本格的に指定を受けるための体制整備に着手し、ハード・ソフトの両面を強化・充実させた。熊本地震では同院からDMAT(災害派遣医療チーム)が初出動するなど、早くも機能を発揮している。

熊本地震でDMAT初出動

福岡DAMTとして熊本地震の被災地に向かう鈴木医長(中央) 福岡DAMTとして熊本地震の被災地に向かう鈴木医長(中央)

災害拠点病院は災害時に災害医療を展開する医療機関の支援機能を備えた病院。「地域災害拠点病院」と「基幹災害拠点病院」があり、地域災害拠点病院は被災地からの重症傷病者の受け入れやDMATなどの受け入れ・派遣、地域の医療機関への応急用資器材の貸し出しなどを行う。基幹災害拠点病院は、さらにそれらの機能を強化し、災害時の医療に関して都道府県の中心的役割を担う。

24時間対応可能なことやDMATの保有および派遣体制の構築、耐震構造、自家発電設備(通常時の6割程度)の整備、病院敷地内のヘリコプターの離着陸場の確保、衛星電話の保有、衛星回線インターネットの利用が可能な環境整備など、運営や設備に関する指定の要件を満たさなければならない。それらの要件を満たし都道府県から指定を受ければ災害拠点病院として標榜(ひょうぼう)することが可能だ。

原則、地域災害拠点病院は二次医療圏に1カ所以上、基幹災害拠点病院は都道府県に1カ所以上整備とされ、4月1日現在、全国に計712病院(福岡県は29病院)が指定されている。

体制整備に尽力することを約束する海江田院長。「救命救急センターの指定などにも引き続き取り組んでいきます」 体制整備に尽力することを約束する海江田院長。「救命救急センターの指定などにも引き続き取り組んでいきます」

福岡病院は2014年9月の新築移転を機に、災害拠点病院の指定を受けるための準備を本格化。医療補助課の金山義孝係長は「旧病院の頃から災害拠点病院の指定を目指す構想はありましたが、新築移転により充実が図られ、指定要件整備など準備を進めました」と振り返る。

免震構造や屋上ヘリポートの設置など建て替えでハード面を整えるとともに、移転後は院内の災害対策委員会を見直し、ソフト面の充実に着手。防衛医科大学校や自衛隊などで災害医療支援の経験が豊富な耳鼻咽喉(いんこう)科の甲斐智朗医長が委員長に就任し、主に災害対策マニュアルの整備を進めた。

「新病院の設備機能の把握からはじめ、栄養管理室なども含む各職種の責任者が集まり、誰がその立場になっても対応できる指揮系統の明確化なども図りました」と甲斐医長。冊子の厚さは従前の約3倍になったという。

「離島、救急、災害は徳洲会の柱です」と永田センター長 「離島、救急、災害は徳洲会の柱です」と永田センター長

救急センターでは主に鈴木裕之医長が中心となり災害時の外来のゾーニング(診療や待機場所の配置、患者さんへの対応方法など)の見直しや紙カルテの作成・運用、簡易ベッドやホワイトボードなど必要資器材の調達などを実施。昨年11月には研修を終え、自院にDMATチームを編成した。

その後、福岡県に申請し、医師会など関係団体での審査などをふまえ地域災害拠点病院に指定された。

その約2週間後に熊本地震が発生。4月16日の本震後に要請を受け、鈴木医長ら同院のDMATチームは被災地で医療支援活動を行った。鈴木医長は「救急に加え災害時にも中心的な役割を担える医療機関になり、名実ともに地域の拠点病院になったと実感しています」と胸を張る。

熊本地震ではNPO 法人TMAT の現地対策本部および出動拠点にもなった 熊本地震ではNPO 法人TMAT の現地対策本部および出動拠点にもなった

「医療支援だけでなく避難所としてもきちんと機能できるように、今後も体制を整えていきたい」と海江田令次院長が話すように、同院は今後も災害拠点病院としての体制強化・充実を図る。

5月1日から災害対策委員長に就任した救急センターの永田寿礼センター長も「当院の近くに活断層があります」と指摘。政府の地震調査研究推進本部が公表している「主要活断層帯の長期評価の概要(算定基準日 平成28年1月1日)」を根拠に「30年以内の地震発生率が国内でも有数の高さで予測されています。当院にとって災害はとても身近なことです」と危機感を募らせる。同院の周辺地域は人口が増えているだけに、災害が起これば大混乱に陥ることも想像に難くない。永田センター長は災害対策マニュアルの整備の継続とともに、実践的な訓練の必要性も示唆。「単なる訓練ではない、緊張感のある実践的なシミュレーションを行う必要もあるでしょう」。

徳洲会グループでは、福岡病院以外に白根徳洲会病院(山梨県)、宇治徳洲会病院(京都府)がそれぞれの府県から地域災害拠点病院に指定されている。

PAGE TOP

PAGE TOP