徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2025年(令和7年)11月17日 月曜日 徳洲新聞 NO.1518 1面

和泉市立総合医療センター
日本てんかん学会研修施設に認定
「地域ぐるみで環境整え診療のすそ野を広げる」

和泉市立総合医療センター(大阪府)は10月1日、日本てんかん学会研修施設に認定された。「てんかん専門医を育成するための研修プログラムが提供できる施設」として、てんかんの専門的な知識・技能を有する医師の教育が期待される。昨年、着任した宮内正晴・脳神経外科部長が準備を進め、今年3月に申請。認定期間は1年間。宮内部長は、「てんかん診療のすそ野を広げ、ひとりでも多くの困っている患者さんをサポートしたい」と積極的だ。

「てんかん診療のすそ野を広げたい」と笑顔で認定証を掲げる宮内部長 他科の医師とカンファレンスで症例を検討

てんかんは、脳から異常波が出て、同じ発作を繰り返す病気。症状は意識消失、けいれん、幻覚・幻聴などさまざま。脳の形態異常や遺伝子異常など小児に多く見られるが、成人でも脳挫傷や脳卒中、脳外科の術後など、高齢者では認知症などで発症するケースがある。

診断は脳波をはじめ各種検査、問診、最近は映像(ビデオ)による症状確認などを組み合わせて行う。また、多様な症状から、診断が難しいケースも少なくなく、小児科や脳神経内科など各専門医がすり合わせながら行うこともある。治療は基本的に薬物治療。てんかんのタイプによって薬を使い分け、それでも発作が治まらない場合は、専門施設で手術などを行う。

和泉市立医療センターでは、以前から脳神経内科や小児科などが、てんかんの患者さんに対応していたが、昨年4月にてんかん専門医の資格をもつ宮内部長が着任、診療体制が充実した。当初から日本てんかん学会研修施設の認定を考えていた宮内部長は、診療のかたわら、着々と準備を進め、院内でてんかん診療をテーマにした勉強会を開催したり、持続脳波モニタリングや脳の手術・検査を行うために必要な設備を整えたりした。

「脳腫瘍の覚醒下手術(腫瘍摘出中に目が覚めた状態で会話や手足の運動などを行い、これらの機能が保たれていることを確認しながら腫瘍を摘出する)や、パーキンソン病のDBS(脳深部刺激療法)治療、脳・脊髄疾患にともなう痙性まひに対するバクロフェン髄注療法(ITB療法)など、特殊な治療ができるようになりました。今年度には、難治性てんかんに対する迷走神経刺激療法(VNS)も行いました」(宮内部長)。

長期脳波ビデオ同時記録検査の実績も10月時点で昨年度をすでに上回った。

徳洲会グループで唯一

てんかん外科手術は症例が少ないため、近畿大学と連携することで精力的に実施。こうした取り組みによって認定要件を満たし3月に申請、10月1日付で認定された。同学会が公表している認定施設一覧によると、徳洲会グループでは同院のみ。

届いた認定証を手に宮内部長は「さまざまな診療科の先生方のおかげです。バックアップしてくださいますし、カンファレンスに私も加えていただき一緒に活動するなど、とてもやりやすい環境です」と謝意を表明。「持続脳波モニタリングが実施できるなど、てんかんの診断・治療ができる医師を育てていきたいです」と力を込める。

今後、宮内部長は地域のてんかん診療の質向上に一層努める意向。自院での専門医の育成はもちろん、すでに近隣の医療機関に赴いて脳波の検討会を行うなど余念がない。

「てんかん外科は対応できる施設が限られます。当院も環境は充実していますが、私ひとりでは、できることが限られるので、すそ野を広げたいと思っています」と宮内部長。「手術でてんかん発作自体は治ったものの、高次脳機能障害が残り社会復帰できないケースも経験しています。そうなると、リハビリ施設などフォローする施設も必要で、いち施設で治療を完結するのは難しい。地域ぐるみで環境を整えていけたらと思っています」。

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