徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

直言

Chokugen

医療法人徳洲会 理事長
一般社団法人徳洲会 理事長
東上 震一(ひがしうえしんいち)

直言 生命 いのち だけは平等だ~

東上 震一(ひがしうえしんいち)

医療法人徳洲会 理事長 一般社団法人徳洲会 理事長

2023年(令和5年)11月27日 月曜日 徳洲新聞 NO.1417

これまでの50年を支えた多くの方に感謝
これからの50年へ全員が心合わせ躍動を
それぞれの才能結集しさらなる高みを目指そう 

本年は徳洲会グループ創立50年の節目に当たります。11月16日、東京のホテルニューオータニで、それを祝う記念式典を開催しました。800人に及ぶグループ外の関係者がお集まりになり、大変な盛況ぶりでした。式の運営に携わっていただいた職員の皆様、本当にご苦労様でした。この場を借りて、あらためて、お礼の言葉を述べさせていただきます。

実はこの式典は、前日の午後3時頃に、当初の立食形式から着座形式へと大幅な変更を行いました。式の運行がどうにも気になっていた私が、事前に会場を見ておこうと、武蔵野徳洲会病院の巡回指導後に、ホテルを訪問して急遽、変更命令を下したのです。ご高齢の方が多い参加者に、2時間にわたる立食スタイルを強いることが、本当に皆様をもてなし、感謝を伝えることが本意の式になり得るのか、気になったからでした。ホテル側は突然の変更にもかかわらず、60脚の円卓と約800人分の椅子を用意してくれました。

しかし、ビュッフェ形式というスタイルは、前日では変更不可能で、各テーブルにどうやって料理を運ぶかが大問題となりました。思案している私に、「東京・大阪本部から病院に連絡して職員を動員しましょう」と、事務局長が出したのが徳洲会の奥の手でした。

徳洲会創立50周年式典運営 急遽参じてくれた職員に感謝

当日直前までのドタバタが噓のように、広い会場に整然と華やかにディスプレイされた60ものテーブルが並んだ姿は壮観で、間際の変更は決して間違ってはいなかったとの思いを強くしました。関西・関東ブロックから、急な動員にもかかわらず集まっていただいた158人の職員(看護部、栄養部、本部職員ら)が、プロであるホテルスタッフも敵わないぐらいの温かい笑顔で、盛大なパーティーに徳洲会の色を添えてくれました。まるで最初から多数の職員が運営に参加する計画であったかのように、自然で、明るく楽しい式典になりました。皆さん、ありがとうございました。

1日にも満たない時間で、160人近くを動員できる徳洲会がもつアスリートのような瞬発力と、底力をあらためて目の当たりにした思いでした。何とか成功裏に終えた式典ではありましたが、「何事も段取り8分、仕事2分」と、徳田虎雄・名誉理事長がいつも口にしていた言葉が、苦く胸をよぎりました。「徳田先生は数人の会合でも、誰がどこに座るかまで指示する非常に細かい気配りの人で、あらゆることに目を通し、全てのことに了解を求める人でした」と、安富祖久明・最高顧問は、私が今回の運営上の不満を口にした時に、そう返してくれました。「徳田先生は結局、部下の誰も信用していなかったということかな」と、安富祖先生なりのウィットを付け加えたコメントでした。

創立50周年記念式典という、徳洲会にとっての一大イベントに対する理事長としての捉え方の甘さが引き起こした混乱であったと、猛省しています。まさに何事も段取り8分。物事を成すには事前のくどいほどの調査、検討が必要です。そのうえで果断に実行する時には、徳洲会がもつ人材をフル活用することになります。たかだか累計1万件を超える手術数の心臓チームをつくり上げたという極めて個人的な実績に慢心し、自ら進化することを求めず、人として停滞しているから、今回のような“抜け”が生じたのです。徳洲会という社会運動で、より良い社会をつくり上げていく――その実績にこそ、自らの拠って立つところを求めるべきであると、今は痛切に感じています。徳洲会の成長とともに、私も理事長として成長し、自己実現していくのだと考えています。

組織は人によって起こり 人により拡大し成長する

徳洲会は自由なところです。自分の才覚次第で何にでもなれるし、何でもできるのです。徳洲会は個々人の才能にバックアップを惜しみません。昔、徳田先生は、一人の心臓外科医の才能を愛し、葉山ハートセンターをつくったのです。組織は人によって起こり、人により拡大し成長するのです。新たな人材を求め、その成長を促すことは何より大切なことです。徳洲会50年の節目にあたって、皆さんの才能が躍動することを、そして躍動の総和が新たな徳洲会をつくり上げていくことを期待します。

皆で頑張りましょう。

PAGE TOP

PAGE TOP