徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2025年(令和7年)11月17日 月曜日 徳洲新聞 NO.1518 3面

徳洲会放射線診断医師部会
より良い医療環境の実現へ
第3回全国部会開催し情報共有

徳洲会放射線診断医師部会は10月17日、第61回日本医学放射線学会秋季臨床大会に合わせて、名古屋市内で第3回全国部会を開催した。症例検討会に加え、グループ病院全体への導入を進めている画像診断支援AI(人工知能)の進捗状況の報告、放射線画像管理加算に関する取り組み、徳之島徳洲会病院(鹿児島県)の新築移転紹介などを議題とし、会場参加とオンライン参加を合わせ約30人の医師や診療放射線技師が情報共有と連携強化に努めた。

症例検討会や多岐にわたる議題で開催。前列右から2人目が部会長の藤田院長会場とオンラインで約30人が参加し情報共有など促進

湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の寺田茂彦・先端医療センターセンター長補佐が司会を務め、冒頭、放射線診断医師部会部会長の藤田安彦・公立種子島病院(鹿児島県)院長が開会挨拶を行い、積極的な交流と活発な討議を呼びかけた。

続いて、画像診断支援AIの導入計画について、放射線技師部会部会長の関根聡・湘南鎌倉病院予防医学センター事務次長が進捗状況などを報告。画像診断支援AIは、X線やCT(コンピュータ断層撮影装置)、MRI(磁気共鳴画像診断装置)などの医療画像をAIが解析し、異常個所の検出などを支援する。

徳洲会グループでは、画像診断専門医の不在時でも画像診断の質を担保し、見落とし事案を減少させることなどを目的として、年内にグループ全体へ導入する方針を決定。放射線技師部会が導入推進に協力している。関根・事務次長は、胸部CR(レントゲン)や頭部CT、肺CTに関して、導入を進めているAI製品の紹介を行い、稼働済み施設や準備中施設、導入スケジュールなどを説明した。

続いて藤田院長が「放射線画像管理加算現状報告と増収計画」をテーマに発表。同加算は、質の高い画像診断の提供体制を評価する診療報酬上の制度。グループ病院の放射線科医在籍状況や同加算取得状況、読影管理加算の試算結果、時間外画像診断加算、遠隔画像診断管理加算などの加算にも言及し、あらためて算定条件などを周知した。

最後に「徳洲会グループの最大の利点を生かし、放射線診断医の数を増やしながら、部会として増収・増益に貢献し、患者さんにより良い医療環境を提供していきたい。また、放射線診断医の連携を深め、画像診断に困っている病院を支援していきたい」と抱負を語った。若手の専門医を育て、学会発表や英語論文などの発表を増やし、徳洲会の存在感を高めていくことや、AI推進により業務の負担軽減、グループ内から日本医学放射線学会代議員を輩出することも目標に掲げた。

この後、症例検討会として2演題を発表。はじめに登壇したのは湘南鎌倉病院の三宮万依・初期研修医。「下大静脈部分切除及び右腎摘出術を行った下腿静脈平滑筋肉腫の1例」をテーマに発表した。第61回日本医学放射線学会秋季臨床大会と併催された第101回日本心臓血管放射線研究会で口演したものだ。

下腿静脈平滑筋肉腫はまれな疾患で、隣接臓器腫瘍の浸潤や腫瘍血栓との鑑別が重要とされている。症例は心窩部痛などを主訴に受診した70代女性で、造影CTで同肉腫を疑い入院。がんなどを検出するPET-CTで腫瘍性病変が示唆され、下腿静脈部分切除と右腎摘出を施行、摘出標本により同肉腫と診断した。

「特徴的な画像所見は鑑別の一助となり、SUVmax値(PET検査で病変部位への放射性薬剤の集積度を示す最も高い値)は予後予測に有用である可能性が示されました」と結んだ。

2演題目は、「リンパ浮腫を背景に発症したNeutropeniaを伴う壊死性筋膜炎の一例」をテーマに藤田院長が発表。徳之島病院での症例だ。Neutropeniaは好中球減少症を意味し、白血球の一種である好中球が減り感染症にかかりやすい状態となる。

症例は60代女性で発熱と嘔吐を主訴に受診。各検査所見から尿路感染症が疑われたほか、発熱性好中球減少症や両下腿リンパ浮腫が認められた。右下腿の皮疹や検査所見から、右下腿後面を試験切開して血液培養を行った結果、劇症型G群β溶血性レンサ球菌感染症による壊死性筋膜炎との診断に至ったことを説明。「リンパ浮腫で熱源不明の場合は壊死性筋膜炎も鑑別に挙げ、検査・加療を行う必要があります」とまとめた。

症例検討会後、再び藤田院長が登壇し、10月1日に新築移転した徳之島病院が導入した高性能CTを紹介。藤田院長の閉会挨拶で全国部会を終了した。

第61回日本医学放射線学会秋季臨床大会では、藤田院長が「Low-grade appendiceal mucinous neoplasm(LAMN)の1例」、鎌ケ谷総合病院(千葉県)の佐藤眞明・放射線診断科部長が「A case of primary carcinoid of the testis」、吹田徳洲会病院(大阪府)の藤原聖輝・放射線治療科医長が「大建中湯による前立腺癌IMRT後晩期直腸出血の予防的有効性に関する検討」をテーマにポスター発表を行った。

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