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2020年(令和2年)10月19日 月曜日 徳洲新聞 NO.1258 四面

居心地いい透析室コンセプト
野崎病院 増築し46床で新装オープン

野崎徳洲会病院(大阪府)は透析室を増築し26床から46床に増床してオープンした。コンセプトは「居心地のいい透析室」。週3回・1日4時間ほどかかる血液透析は、患者さんにとって大きな負担のため、新しい透析室ではその時間を快適に過ごしてもらえるよう、ベッドの配置や空調、照明に至るまで細部にわたりこだわった。4月のオープン以来、患者さんから好評だ。

新透析室のこだわりを語る山野辺技士長(左)と山野主任新透析室のこだわりを語る山野辺技士長(左)と山野主任

新透析室は、2016年に完成した同院附属研究所にリハビリテーション室が移転したことで、空いたフロアを利用しつくった。同院最上階の7階東側にあり、窓の外には生駒山や河内の町並みなど素晴らしい眺望が広がる。約10年間、26床で運営してきたが、患者さんの増加もあり46床に増床した。

設計にあたり透析患者さん約70人にアンケートを実施。その結果、「隣とのベッドの間隔が狭く、圧迫感がある」、「クーラーの風が体に直接当たるので寒い」、「ベッドで横になると天井の照明がまぶしく、テレビが見えにくい」など意見が上がった。

これらを参考にコンセプトを「居心地のいい透析室」と決定。昨年4月から毎週、透析室の看護師や臨床工学技士、工事関係者などによる透析室拡張会議を開き、患者さんの希望を実現する方法を模索した。

新透析室の特徴としてはベッドの配置がある。通常は壁に配管を通し壁際にベッドを配置するが、それでは通路をはさんだベッド同士が丸見えになってしまう。そこで同院では、部屋の中央に配管のための壁をつくり、その両脇にベッドを並べることで視線をふさぎ、さらにベッド間隔を最低1メートル離してプライベート感が出るようにした。

ただし、この配置ではスタッフの動線が悪くなる問題があった。工事のしやすさだけを考えたら、配管のための壁は区切らないほうが良いが、会議での話し合いの結果、8床ずつの〝島〟になるように壁を区切って通路を確保。さらに透析室のスタッフを島ごとの担当制にし、機器のアラームや患者さんの要望にすぐ対応できるように体制を整えた。

空調や照明にもこだわった。血液透析では患者さんは体感温度が低くなるうえに、クーラーの風が体に直接当たると、かなり寒く感じてしまう。一方でスタッフは部屋中を動き回るため、汗をかくほどの暑さだ。そこで天井に配置したクーラーの四方の吹き出し口のうち、患者さん側をふさぐことで、患者さんの体に直接、風が当たるのを防ぎ、部屋全体は過ごしやすい温度になるように調整した。

中央に配管のための壁をつくり、その両側にベッドを配置中央に配管のための壁をつくり、その両側にベッドを配置

また、テレビを観るのを楽しみにしている患者さんのために、照明の色や配置を工夫し、テレビを観る妨げにならず、かつスタッフの作業にも干渉しない程度の明るさを志向した。

山野秀仁・臨床工学科主任は「空調も照明もお金をかければ、いくらでも性能の良いものはあるのですが、今回は工夫をすることで、それに負けないくらいの透析室ができたと思います。クーラーの風が直接当たらないか、テレビが観やすいかなどは、スタッフが何度も実際にベッドで横になって試し、最適を目指しました」と胸を張る。

もちろん「居心地のいい透析室」のためには、設備だけではなくスタッフの対応も重要だ。山野主任は「患者さんとは適度な距離感を心がけ、信頼関係を築くようにしています。また、なるべく患者さんと話した内容は覚えておき、ふとした会話のなかでもリラックスしてもらえるように気を付けています」と強調。

コロナ専用隔離スペース

同院には新型コロナウイルス感染症(COVIDー19)患者さんが入院しているが、今のところ透析室の使用はない。もし透析が必要になった場合に備え、透析室内に隔離スペースを確保、厳重な感染防止対策を施してCOVIDー19患者さん専用の病棟から非常階段を通り、誰にも会わずに透析室に入室できる動線も考えている。

山野辺基・臨床工学科技士長は「新透析室46床のうち、稼働しているのは30床なので、COVIDー19患者さんのための隔離スペースも確保できます。また、火曜・木曜・土曜日の午後は、外来で透析患者さんを受け入れていないので、COVIDー19患者さんはなるべくその時間に対応するようにします」と見とおしを明かす。

現在、透析室の登録患者数は約90人だが、ゆくゆくは120人ほどを目指す。そのために地域連携室のスタッフを中心に地域の医療機関を訪問し、新しい透析室を周知している。山野辺技士長は「徐々に患者さんは増えていますので、今後、46床すべてが稼働した際に、どのように透析室を運用していくか考える時期になりました」と次ステージを見とおす。

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