2020年(令和2年)4月27日 月曜日 徳洲新聞 NO.1233 三面
学術集会をWEB上で開催
「Zoom」活用し学習機会も
医療進歩のため教育活動継続
横井副院長(右)と藤原部長
Zoomを活用したWebmeetingの画面
新型コロナウイルスの影響で国内外の学会が軒並み中止や延期となっている一方で、医療の進歩のため工夫して乗りきろうという動きも活発化している。
岸和田徳洲会病院(大阪府)の横井良明副院長が前身を立ち上げたアジア最大級の末梢(まっしょう)血管内治療のライブデモンストレーションJET(JapanEndovascular Treatment Conference)は、2月の学術集会を延期し、4月18、19、25、26日と4日間、WEB上で開催した。同院循環器内科の藤原昌彦部長が事務局長を務めた。「来年まで開催しないと患者さんへのデメリットが大きく、新たなエビデンス(科学的根拠)や、より適切な治療など情報発信するのが望ましいためWEB開催しました」(藤原部長)。開催当日は、発表者が事前に日本語で吹き込んだナレーション付きのスライドを配信。座長などを交えた討論も各自の場所からリモート参加で行った。
テレワークの推奨で普及するWEB会議ツール「Zoom」の活用例もある。徳洲会外傷整形外科部会の部会長を務める土田芳彦・湘南鎌倉総合病院(神奈川県)兼湘南厚木病院(同)副院長・外傷センター長は、自ら主催・監修するWEBセミナーをZoomで開催している。
「WEB会議システムは非常に有効なツール」と土田副院長
以前から移動時間などを節約できるWEB開催の構想を温めてきた。新型コロナの影響をきっかけに、教育活動を継続する方策として実行。3月上旬から湘南鎌倉病院外傷センター主催で「湘南Web Meeting」などシリーズ化して開催。また全国各地で「重度四肢外傷PeerReview Web Meeting」を監修、順次開いている。
「ハンズオン(体験学習)やグループワークと異なり、講義であればWEBでも何の支障もなく実施できます。感染終息後も、従来式のセミナーとWEBセミナーを使い分けていきたい」(土田副院長)と展望している。