徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2020年(令和2年)4月27日 月曜日 徳洲新聞 NO.1233 四面

「医療崩壊を決して起こさせない」
徳洲会の離島病院 グループ一丸となり全力サポート

4月1日に鹿児島県の沖永良部島、13日に沖縄県の石垣島、18日には鹿児島県の奄美大島で新型コロナウイルス感染症患者さんを確認、離島にも見えない敵が上陸し始めている。こうしたなか徳洲会グループの離島病院では、感染疑い例が発生した時の対応を院内、さらには地域で検討するなど感染対策に力を入れている。また、グループのスケールメリットを生かしたサポート体制も敷いている。

新型コロナ対策緊急総力特集

石垣市は4月6日、臨時会見を開き、新型コロナウイルスの感染を防ぐため、観光客などへの来島自粛を強く呼びかけた。そんな矢先の13日、沖縄本島以外では初めて、石垣島で感染を確認。石垣島徳洲会病院の池原康一院長は「とうとう来たか、と思いました。3月いっぱいは、卒業旅行や家族旅行などで来島される方が多かったのも、原因のひとつかもしれません」と推測する。

「地域の方々の冷静さがありがたいです」と池原院長「地域の方々の冷静さがありがたいです」と池原院長
「できる対策はすべてやります」と松浦院長「できる対策はすべてやります」と松浦院長

初の感染者を確認した前週、地域の医療機関が集まり対策会議を実施。そこで感染者もしくは感染疑い例が出た場合、島内の感染症指定医療機関である県立八重山病院が一括して管理し、石垣島病院を含む他の医療機関は後方支援に回る方針を決定した。池原院長は「感染者が増えた場合、病棟を閉じて隔離する必要性も出てきますので、八重山病院の入院患者さんを当院で受け入れることになります」と説明する。

一方、石垣島病院でも院内の感染対策を強化。発熱外来を病院入口付近にスペースを区切って設置、発熱患者さんは専用玄関から入り、受付後、自分の車の中で診察まで待機してもらうなど、一般の患者さんと動線が重ならないようにした。また、健診センター、通所リハビリテーションセンターの稼働を停止した。

「感染疑いの方と接する職員を限定しています」と藤田院長「感染疑いの方と接する職員を限定しています」と藤田院長

今後、感染者が爆発的に増え、八重山病院で収まりきらなくなった場合を想定し、石垣島病院では院内のどこで受け入れるか、人の配置をどうするかなど検討を始めている。池原院長は「感染者が出る前から感染対策は始めていましたが、出たことで、より一層、身が引き締まりました。こんななかでも、地域の方々はPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査を受けたいと押し寄せることもなく、冷静でいることが、とてもありがたいです」と謝意を表す。

本土から離島に送る人工呼吸器ストック

PCR検査の検体採取前に感染防護具を付ける藤田院長 PCR検査の検体採取前に感染防護具を付ける藤田院長

鹿児島県の離島病院の中心的な役割を担う名瀬徳洲会病院の松浦甲彰院長は「離島で感染者もしくは感染疑い例が発生した場合、どうしても対応が遅れる可能性があります」と警鐘を鳴らす。

離島にはPCR検査を実施できる機関がないため、診断が遅れ、感染が広がるリスクも大きくなる。感染者が発生した場合、受け入れ先が少なく、病床があったとしても感染防護具やマンパワーが足りない。重症化した患者さんに行える治療も限られ、本土の病院に搬送しなくてはならない。

こうした事態に備え奄美大島では、4月9日に地域の医療機関が集まり対策会議を開催。帰国者・接触者相談センターへの相談件数が増えていることを共有したうえで、もし感染疑い例が発生した場合、島内の感染症指定医療機関である県立大島病院で一括して管理する方針など協議した。

名瀬病院でも感染対策を強化すると同時に、院内感染が起きた場合を想定したシミュレーションも始めた。また、通常の外来通院で症状が安定している患者さんの再診に限り、電話診療を実施。電話診療の最中に必要と判断した場合は、受診を促すこともあるが、薬の定期処方だけで良い場合、患者さんは電話診療が終わった後に同院を訪れ、薬の受け取りと会計を行い、なるべく院内で過ごす時間を短くする。

徳之島病院では駐車場内にあるプレハブが発熱外来 徳之島病院では駐車場内にあるプレハブが発熱外来

今後、送迎バスの運行がなくなった際には職員がバス停を巡回し、薬の受け渡しと会計ができるように調整中だ。

一般社団法人徳洲会(社徳)も離島病院をサポート。マスクや防護服など物資の提供に加え、重症化した患者さんの治療に必要な人工呼吸器を、いつでも離島に送れるようにストックしている。松浦院長は「今のところ離島病院で、すぐに人工呼吸器が必要になることはないので、グループ全体のバランスを見て使っていただければと思います」と配慮しつつも、「グループのサポートがあるのは、とても心強いです。離島で医療崩壊を起こさせないように、できる対策はすべてやっていきたいと思います」と意欲を見せる。

PCR検査の検体採取 被験者との接触者限定

試験的に導入したアバター(左)の操作方法を尋ねる藤田院長(右) 試験的に導入したアバター(左)の操作方法を尋ねる藤田院長(右)

徳之島徳洲会病院(鹿児島県)は保健所からの依頼により、PCR検査のための検体採取を実施している。

今のところ陽性者は出ていない。検体採取には病院の駐車場にあるプレハブ小屋を使用し、基本的に藤田安彦院長が担当。「私が不在の場合は非常勤医師にお願いすることもありますが、研修医にはさせません。感染疑いの患者さんと接する職員を、できるだけ限定するように気を付けています」と強調する。

感染者が出た場合の対応も地域で共有。同院が位置する徳之島町では、軽症・中等症であれば宿泊施設であるバンガローに隔離したうえで対応、重症者であれば本土に搬送する。

院内の感染対策も強化。救急外来や地下駐車場からの出入口を封鎖し、入口を正面玄関に一本化、職員が来院する患者さんを問診したうえで、一般外来と発熱外来に分けている。マスクをしていない患者さんには、売店にハンカチやハンドタオルを用意し、即席でマスクをつくるように呼びかけている。

同院も症状の安定している患者さんの再診に限り、電話診療を実施。在宅診療の患者さんへの定期処方でも、本来であれば家族に薬を取りに来てもらうが、今はなるべく病院に人を入れないようにするため、職員が届ける場合もある。

また、遠隔操作できるアバター・ロボットを試験的に導入。

これは、ANAホールディングスが開発したもので、タイヤが付いておりラジコンのように操縦することが可能だ。上部のモニターには操縦者の顔が映し出され、あたかも対面して会話しているようなコミュニケーションができる。

藤田院長は「問診などに有効と考えます。また、入院が長引く患者さんにはアバターにインしてもらい、外の様子を見たり、逆にご家庭にアバターを配置し、ご家族との会話を楽しんだりすることができるなど、使い方はいろいろあると思います」と期待を寄せている。

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