徳洲会グループ TOKUSHUKAI GROUP

徳洲新聞ダイジェスト

Tokushukai medical group newspaper digest

2019年(令和元年)5月27日 月曜日 徳洲新聞 NO.1186 一面

岸和田病院の内視鏡診療・検査
年間3万件超 実施
離島を中心に21施設支援も含め

岸和田徳洲会病院(大阪府)が2018年の1年間に実施した内視鏡診療・検査は3万件超――。自院のみならず、そのうち1万2000件超は離島を中心とした徳洲会グループ病院のサポートだ。岸和田病院消化器内科に所属する30人超の医師が効率的に活動できる仕組みを築き、18年に支援した医療機関数は21に上った。「今後も精進を重ね、まだサポートできていない地域などを支援していきたい」と井上太郎・内視鏡センター長兼消化器内科主任部長は意気込んでいる。

段階経る教育で質も担保

「各地の患者さんを支援したい」と井上センター長。左手首には腕時計型情報端末 「各地の患者さんを支援したい」と井上センター長。左手首には腕時計型情報端末

岸和田病院消化器内科は前内視鏡センター長の尾野亘副院長を中心に、これまで自院の内視鏡診療の充実と、“通常業務の一環”として離島を中心としたグループ病院のサポートに注力。2014年には支援先を含め内視鏡の施術件数が2万件を超えた。一般的な上下部内視鏡検査や大腸ポリープ切除にとどまらず、専門医でないと施術が難しい消化管出血の止血術、ESD(内視鏡的粘膜下層剝離(はくり)術)、ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)、EUS(超音波内視鏡)など多様な施術を手がけているのも特徴だ。

全国屈指の実績を誇る岸和田病院の内視鏡センター。数だけではなく質にもこだわる 全国屈指の実績を誇る岸和田病院の内視鏡センター。数だけではなく質にもこだわる

15年に同センターを井上センター長が引き継ぎ、さらに体制を強化。件数を着実に増やし、わずか4年で年間1万件増を実現した(表1)。井上センター長は「年間3万件超の実績は、恐らく国内はもとより、アジアでもトップクラスではないでしょうか」と胸を張る。ESD、ERCP、EUSのいずれも徳洲会グループで有数の実積だ。

要因は何といってもマンパワーの強化。対応するコメディカルはもちろん、とくに医師は常勤27人、非常勤5人と14年当時のほぼ倍。あわせて、新たに健診センターに内視鏡を設置し、健診の検査などは内視鏡センターで行わなくてもすむよう環境も整えた。

表1 18年の内視鏡実積

上部 下部 ESD ERCP EUS 年間総件数
支援内視鏡件数 9,327 2,938 110 169 6 12,550
岸和田内視鏡件数 10,609 5,647 424 579 411 17,978
19,936 8,585 534 748 417 30,528
また、井上センター長は「当科に対するグループ内の認知度向上」も挙げる。「いろいろな病院から声をかけていただくようになり、離島をはじめ、都市部から少し離れた医療資源が限られている病院なども支援しています」との言葉が示すように、18年はグループの21施設を支援した(表2)。

多数のスタッフが自院を含め効率良く活動するために工夫しているのが、小型の端末機器やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の活用だ。スマートフォンやコミュニケーションアプリを用いて、各スタッフのスケジュールの一元管理やリアルタイムでの意思疎通を図っている。

表2 支援先施設 ※色は離島

帯広徳洲会病院(北海道)
札幌東徳洲会病院(北海道)
成田富里徳洲会病院(千葉県)
武蔵野徳洲会病院(東京都)
大垣徳洲会病院(岐阜県)
宇治徳洲会病院(京都府)
八尾徳洲会総合病院(大阪府)
和泉市立総合医療センター(大阪府)
高砂西部病院(兵庫県)
福岡徳洲会病院(福岡県)
鹿児島徳洲会病院(鹿児島県)
屋久島徳洲会病院(鹿児島県)
名瀬徳洲会病院(鹿児島県)
喜界徳洲会病院(鹿児島県)
徳之島徳洲会病院(鹿児島県)
沖永良部徳洲会病院(鹿児島県)
南部徳洲会病院(沖縄県)
中部徳洲会病院(沖縄県)
新都心クリニック(沖縄県)
宮古島徳洲会病院(沖縄県)
石垣島徳洲会病院(沖縄県)
質の担保にも余念がない。たとえば、消化器内科では研修医であれば内視鏡を抜く行為から始まり、胃、食道、ほかの部位、困難症例と段階を踏んだ医師の育成システムを導入。各過程で「S状結腸に到達するまでの秒数」、「指導医の直接介助の件数」など、きめ細かい基準を定め、クリアしなければ次のステップに進めず、診療する場合も上級医の指導など条件付きでなければ行えない。「先日も見学に来られた大学病院の先生から評価をいただきました」(井上センター長)。

支援先の治療・検査の質を保つために、とくに離島では病院ごとにスタッフのグループを形成。各グループには“キーマン”として医長以上の医師をひとり割り当てサポートする。「離島の病院は環境が限られていますし、治療後、島を離れなければなりません。患者さんはもちろん支援先のスタッフを継続してフォローするため」と、井上センター長は説明する。

教育にもコミュニケーションツールを活用。個人情報に配慮し、症例の動画や画像を上級医が見てアドバイスなどを送る。

井上センター長は今後も内視鏡の実施件数増を視野に入れつつ、とくに支援の重要性を強調。「15年前に初めて離島に行った時、名瀬徳洲会病院(鹿児島県)の松浦甲彰院長から温かい言葉をかけていただき、“離島ために何かしなければ”と思ったことを今も覚えています。離島はもちろん、全国にはまだサポートできていない地域があるので、当院だけに限らない支援の仕組みも視野に入れ、患者さんをサポートしていきたい」と熱い胸の内を語っている。

PAGE TOP

PAGE TOP