2019年(平成31年)4月22日 月曜日 徳洲新聞 NO.1181 三面
症例検討などで研鑽
徳洲会 乳がん部会
第4回乳がん研究会開く
徳洲会乳がん部会は3月23日、都内で第4回乳がん研究会を開催した。徳洲会グループ14病院から乳がん治療にかかわる多職種約50人が出席。症例検討やグループ内外の講師による講義を通じ、研鑽(けんさん)を積んだ。終了後、別団体主催の講演会にも参加し、精力的にグループ全体の乳がん診療の向上に努めた。
患者さん目線のゲスト講演も
乳がん診療のレベルアップを目指し全国から多職種が参集
会は徳洲会オンコロジー(腫瘍学)プロジェクトの一環。冒頭、同プロジェクトの顧問を務める札幌医科大学の新津洋司郎・名誉教授が挨拶し、「今後は徳洲会のがん部会も外に目を向けなければなりません」と、グループ内の各部会、あるいは国の施策、企業、近隣の医療機関などとのインタラクション(相互作用)に期待を寄せた。
乳がん部会長を務める間瀬隆弘・大垣徳洲会病院(岐阜県)院長の挨拶の後、症例検討会を実施。計8演題を発表し、各専門職の立場から日々の取り組みを通じ、効率的な方法や課題を参加者同士が共有するとともに、課題解決に向け話し合った。
途中、講義も行い、「乳がんレクチャーⅠ」では湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の田中久美子・乳腺外科部長が登壇。「乳腺外科 日々の診療から」と題し、症例を交えながら画像診断や手術、化学療法で心がけていることや、低侵襲治療(クライオサージャリー=凍結療法)、妊娠期乳がんといった比較的まれな症例など多岐にわたるテーマを解説した。
「乳がんレクチャーⅡ」では、千葉西総合病院の柿本應貴・乳腺外科部長が「遺伝カウンセラーや遺伝専門医のいない一般病院における遺伝性乳癌外来運営」を講義した。
会の最後には、「ゲスト講演」として、一般社団法人KSHSの溝口綾子・代表理事が「キチンと手術・ホンネで再建の会活動内容等」と題し講演。歯科衛生士として働くかたわら、乳がん経験者として立ち上げた乳がん患者会「キチンと手術・ホンネで再建の会」(KSHS)の勉強会や体感会など、活動内容を紹介した。
乳がん部会のWEBサイトの開設に向け、状況を報告する場面も見られた。終了後、参加者は近隣で行われた乳がんフォーラムに参加。国立がん研究センター中央病院の下村昭彦・乳腺・腫瘍内科医師の講演(座長:鶴谷純司・昭和大学先端がん治療研究所長兼医学部内科学講座腫瘍内科部門教授)の「BRCA変異陽性HER2陰性転移再発乳がんに対する治療について」と題する講演に聞き入っていた。
症例検討会で発表した演者と演題名は次のとおり。▼辻喬繁・湘南鎌倉総合病院(神奈川県)研修医「ネパールでのピンクリボン運動の経験」▼柏瀬弥生・羽生総合病院(埼玉県)放射線科副技師長(診療放射線技師)「検診におけるABUS使用経験」▼滝島抄恵・東京西徳洲会病院栄養科副主任(管理栄養士)「乳癌内分泌療法による体重増加に対し栄養指導が有効であった1症例」▼岩井大・同院薬局長(薬剤師)「転移・再発乳癌に対するPalbociclibの投与量調節に及ぼす因子の検討」▼島愛美・湘南鎌倉病院薬剤師「当院におけるパルボシクリブ使用の現状」▼布谷玲子・同院乳がん看護認定看護師「脱毛対策としての頭皮冷却の実用化に向けた取り組みと課題」▼杉原奈津子・大垣病院リハビリテーション科副室長(理学療法士)「当院における理学療法士の関わり」▼金刺文子・札幌徳洲会病院副看護師長、上井奈穂美・同院福祉支援室課長補佐(医療ソーシャルワーカー)「乳癌骨転移放置から下半身麻痺(まひ)にいたった患者の治療導入と看取りまでの生活・療法支援-専門職の視点から」