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直言

Chokugen

亀谷 良介(かめたにりょうすけ)(名古屋徳洲会総合病院院長)

直言 生命いのちだけは平等だ~

亀谷 良介(かめたにりょうすけ)

名古屋徳洲会総合病院院長

2019年(平成31年)4月22日 月曜日 徳洲新聞 NO.1181

既成概念とらわれない徳洲会の仲間と
一緒に好奇心をもちひたすら前向きに
質の良い医療に注力し部下が増えチーム成長

2006年4月、私は名古屋徳洲会総合病院に循環器内科医として入職しました。しかし、あまりに多忙で06年度の記憶はありません。循環器内科にただひとり、医長として赴任した私は救急を断らず、外来患者さんや入院患者さんに対応し、初期研修医の力を借りながら心臓カテーテル治療(経皮的冠動脈形成術)を実施していました。内科当直勤務を行っていたことは言うまでもありません。

外来患者さんに多く来ていただくため、当時、最新の検査だった心臓CT(コンピュータ断層撮影)を活用しました。単に心臓CTの検査を行うにとどまらず、解析も診療放射線技師が作成した画像の判定ではなくワークステーションを私自身が操作してCTの生画像を読影する、という質を担保した検査で運用しました。夜中になると病棟の控室で心臓CTのレントゲン写真を抱え意識を失った私の姿が日常的な光景となりました。

質の良い診断と治療に注力するとともに、学会や研究会などに積極的に赴き、自身の治療成果の発表にも継続的に取り組んでいたところ、ひとり、またひとりと慕ってくれる部下が増え、現在は当院と大垣徳洲会病院の循環器内科を9人で担うチームにまで成長できました。

一生懸命頑張ってきたことで応援・信頼の人の輪が広がる

この4月から始まったNHK朝の連続テレビ小説『なつぞら』で、草刈正雄さん演じる柴田泰樹(たいじゅ)に「一番悪いのは、人がなんとかしてくれると思って生きることじゃ」というセリフがあります。昭和初期の北海道で開拓を経験した者だからこそ言えるセリフでしたが、私は自分の過去を思い出しました。

当時、「つらいので助けてください」という発想はありませんでした。結果論ではありますが、「一生懸命に頑張っている亀谷先生を助けてあげよう」という仲間の思いのおかげで、私はつらい時期を乗り越え成長できたと思っています。

ひそかに高齢の心不全患者さんを担当してくださった内科の先生、「急性心筋梗塞が来たから外来やっておくよ」と言ってくださった心臓血管外科の先生、内科当直がつらそうだからと代わりに対応してくださった外科の先生、循環器内科外来が混雑しているなか、それでも外来患者さんは誰でも受けますという私に対し、ひそかに内科外来に振り分けてくれたクラークさん。心臓カテーテル治療を朝から夜中まで並べても嫌な顔ひとつせずに付き合ってくれたコメディカルさんたち。今なら一人ひとりに感謝の言葉を口にできますが、当時の私にその余裕はありませんでした。一生懸命前向きに頑張って良かったのは、ひそかに応援、信頼してくれる仲間が数多く増えたことと考えます。

心臓CTは、現在こそ学会が定めるガイドラインに載っている検査ですが、06年当時は新しい検査で、心臓治療に積極的に活用していたことを研究会などで発表すると、多くの批判を受けました。当院に突然赴任し、多くの循環器患者さんの治療を始めた私に対する「やっかみ」もあったのかもしれません。

実績のない心臓CTを、東海地区で無名の医師であった私が、多くの患者さんの治療に利用した結果、東海地区の循環器内科の先生方の反応は「距離を置き、遠回しに批判する人」と、「興味をもち、積極的に交流を図る人」に大きく分かれました。その比率は9対1。しかし、時代とともに心臓CTの有用性は認知され、また心不全治療を基本に、カテーテル治療を用いる私の循環器診療が、真に必要な場合に実践していると理解されると、多くの先生方と交流できるようになり、東海地区の循環器内科領域での私の存在も認容されるようになりました。

実際に自分で調べて触れて考えて判断する大切さ知る

実績のないものをどう判断するかは、実際に自分で調べ触ってみて、自分で考え判断することが、とても大切であると学びました。06年当初から積極的に交流いただいた当地区の先生方は今でも一番大切な人たちです。

4月に院長を拝命しました。院長としての私の実績はありません。しかし好奇心は旺盛です。何より私のバックには既成概念にとらわれない徳洲会グループの多くの仲間がいます。現場の声を聞き、視野を広くして情報収集に努め、自分の方針に対するチェックに耳を傾け、ひたすら前向きに頑張る。それしかできませんが、それをやり続けていきます。皆で頑張りましょう。

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