2018年(平成30年)11月12日 月曜日 徳洲新聞 NO.1159 四面
読み解く・読み得“紙上医療講演” ⑳
栄養管理で認知症予防
今回のテーマは「認知症を予防するための栄養管理」。認知症は糖尿病、高血圧、脂質異常症など基礎疾患、喫煙やアルコール多飲、運動習慣、食習慣などが危険因子と考えられ、生活習慣病のひとつであるとも言われています。食習慣に注目し、認知症になりやすい食事や予防のための栄養管理などについて、山形徳洲会病院の黒川あゆみ栄養管理室副主任(管理栄養士)が解説します。
黒川あゆみ栄養管理室副主任 山形徳洲会病院
認知症になりやすい食事として、偏食(肉ばかり食べて魚や野菜を食べない)、小食、菓子類の間食が多いことなどが挙げられます。こうした食事により、認知症の基礎疾患となる糖尿病や高血圧、脂質異常症を悪化させます。
そのため予防は第一に主食、主菜(肉、魚、卵など)、副菜(野菜、海藻、きのこなど)をバランス良く食べることです。ダイエットのために夕食を抜く方もいますが、3食しっかり食べないと、血糖値が上がりやすくなるため、規則正しい食事を心がけましょう。
さらに脂肪酸のバランスに配慮することも大切。控えたほうが良いのはトランス脂肪酸(マーガリン、ショートニングなど)、飽和脂肪酸(ラード、バター)、オメガ6系脂肪酸(サラダ油など)で、パンやお菓子から知らぬ間に摂っていることもあります。摂ったほうが良いのはオメガ3系脂肪酸(青魚の脂、えごま油など)、オメガ9系脂肪酸(オリーブオイル、ナッツなど)。ただし、油はカロリーが高いため、1日に大さじ1を目安にしましょう。
| 色 |
成分 |
食べ物 |
効果 |
| 赤色 |
リコピン |
トマト、スイカ |
抗酸化作用 |
| カプサンチン |
赤パプリカ、トウガラシ |
抗酸化作用、HDL-コレステロール増加 |
| 紫色 |
アントシアニン |
ブドウ、ブルーベリー |
抗酸化作用、視力低下防止、高血圧予防 |
| 橙色 |
β-カロテン |
カボチャ、ニンジン |
抗酸化作用 |
| 黄色 |
フラボノイド |
タマネギ、柑橘類 |
血管補強(血流促進) |
| ルテイン |
トウモロコシ、カボチャ |
抗酸化作用、視力低下予防 |
| 緑色 |
クロロフィル |
ホウレン草、モロヘイヤ |
抗酸化作用、消臭殺菌作用 |
| 黒色 |
クロロゲン酸 |
ゴボウ、ジャガイモ |
脂肪燃焼、血糖値や血圧の調節 |
| カテキン・タンニン |
緑茶、ワイン |
抗酸化作用、殺菌作用、脂肪燃焼 |
| 白色 |
イソチオシアネート |
ダイコン、キャベツ |
抗酸化作用、血液サラサラ |
| 硫化アリル |
ネギ、ニンニク |
抗酸化作用、血液サラサラ、抗菌作用 |
酸化した油も老化(認知症)を促進します。多めに調理し残った料理を翌日に食べることもあると思いますが、できれば油で調理した料理はすぐに食べきりましょう。また、油は大きな容器ではなく、すぐに使いきれる小さな容器や空気の入らない容器を選ぶと良いです。
同時に抗酸化作用のある成分を摂ると、より効果的。代表的なのがビタミンA・C・Eです。ビタミンA(レバー、モロヘイヤなど)とビタミンE(ウナギ、ナッツなど)は脂溶性のため、油と一緒に摂ると吸収が良くなります。ビタミンC(パプリカ、ブロッコリーなど)は水溶性のため尿で排出されることから、3食に分け、こまめに摂ることが大切。喫煙でも消費されやすく注意が必要です。
さらに、抗酸化作用の強い成分として最近注目されているのがフィトケミカル(ファイトケミカル)。これは植物中の成分で、主に色素成分や辛み成分に含まれます。なるべく、いろいろな色の野菜や果物を食べるようにしましょう。
アルコールの飲みすぎにも注意が必要で、血糖コントロールが乱れるなど基礎疾患を悪化させます。厚生労働省によると、節度ある適量な飲酒は純アルコール20g/日。アルコール濃度5%のビールなら500㎖、15%の日本酒なら170㎖が目安となります。
一つひとつの情報を気にしすぎると、食事が楽しくなくなってしまうかもしれません。たまに好きなものを食べるのは問題ありませんが、「1日3食バランスの良い食事をする」ということを習慣にできれば良いと思います。